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笑って少女18 ページ24

真選組。



「なんでAが此処にいたんだ!」

「落ち着け銀時!」

「これが落ち着けるか!なんで
テメェらの所にあいつがいたんだ!!」

「銀時!」

「ヅラ、知ってたのか」

「それは、」


荷物のように肩にかつがれ
力無く手足を揺らして連れ去られた少女。

首謀者によって無理やり上を向かされた少女の
その顔は、坂田らが忘れもしないあのまま_

追いかけるも手がかりはなく、
一旦戻ってきたがここまで静かだった坂田が
大声をあげたのだった。

目を逸らした桂の襟首を離し、
坂田は真選組を睨み付ける。


「どうしてAがここにいる?
どうして"あの状態"でいる?」


俯いたままの沖田は1番に屯所へ帰り
部屋を確認、食堂の散らかったお菓子を見つけ
そのまま戻ってきても無言のまま。

近藤は話を聞いてすぐに出掛けてしまい不在。

頼りの土方さえも煙草を加えたまま
目を合わせようとしない。

真選組に桂小太郎が堂々と座っている時点で
誰かがツッコミをいれるべきなのたが、
この状況から皆が目を背けていた。


「…あの、ちゃんと説明してください、
僕らには、なにがなんだか」

「…そうだな。まずAだが、
命の安全は保証されるであろう」

「ッッ」
「ヅラ、」


どうしてそんなことが言える、と
反応した真選組に対して坂田は顔を歪める。


「銀時、恐らく"あの状態"をこいつらは
知っている。だが今回の事件については
知らされていない。Aが隠していたと
考える方が筋が通る。つまりだ銀時」
「おい、Aの部屋は何処だ、ジミー、
案内しろ。新八、神楽」

「はい!」「任せるヨロシ!」


目を交わして頷き合い、万事屋は部屋の外へ、
桂は部屋の中へと体を向ける。

案内しろ、と言った割に山崎を引き摺っていった
坂田には目を瞑ることにしたらしい。

代わりに沖田が桂に詰め寄る。


「Aがどうして無事だって分かる」

「無事であるとは一言も言ってない。
"命"は奪われない、と言っただけだ」

「総悟、刀を降ろせ。
…テメェの持ってる情報を全部渡してもらうぞ」


瞳孔を開かせて刀を首に当てた沖田、
一方で怯むことなく土方を見据える桂。

やはり副長は幾ばくか冷静に分析できるらしい。


「Aについて話すんだな」

「テメェの情報次第だ」

「此処で偽のを渡しても意味がない。
調べ直す時間も今はない」

「警察と取引たぁいい御身分だ」

「Aに関してなら対等であろう」



人払いがされ、襖は完全に閉ざされる。

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作者名:梦夜深伽 | 作成日時:2018年3月2日 23時

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