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第22話 ページ23





「もう直ぐ武装探偵社だよ」

朝早くに見投げをして、既に太陽は天高くに位置している。

まさに白昼堂々、見晴らしの良い河原を、賑やかな街を歩き進めて辿り着いたビル。

「大丈夫、Aちゃんの事は僕が守るよ」

「ありがとう」

重要な部分を誤解されているようだが、害はないので放っておく。

「ねェA、昨日郊外の廃工場で爆発が有ったのたけど何か知ってる?」

そして此の人は何を知っているのだろう。

「中原さんが出たのは知っています」

「巻き込まれて死ななかった?」

「五体満足で無事にお帰りでしたよ」

残念だ、と肩を落とすわりに楽しんでいるように見える。

昇降機はあっという間に着き、人虎_敦くんが武装探偵社と書かれたプレートのかかる扉を開けた。

「何処をほっつき歩いていたんだ此の唐変木! 大方また入水でもしていたんだろうが苦情の電話が鳴り止まないと何度言ったら分か……」

両手を動かし続け驚異的な速さで書類を片付けていた男と、其処で漸く目が合った。

座っていても分かる高身長に、真面目そうな眼鏡の奥で固まっている理知的な瞳、また美形だった。

凶悪さで言ったら恐らく中也に軍配があがるのだろうが、背格好が背格好故に此の人の方が男らしく見える。

太宰さんと違って筋肉ついてるし。

「国木田くん、そんなに見つめるから見つめ返されるんだよ」

「はっ…」

顔を真っ赤にして逸らされた。

彼が国木田さんらしい。

「国木田くんの説教は終わったのかい? ん?」

別の扉から今度も美女が現れた。

艶やかなボブカットの黒髪には蝶の髪飾りが輝き、ハイカラな衣装はスラリとした身体によく似合う。

「服が濡れてる? ……真逆(まさか)

「与謝野先生、違うんです此れには訳が」

黒手袋に包まれた細い指が大振りの鉈を振り回し、社内には断末魔が響_


「じゃあ川に流れていたところを敦が助けたんだね」

「手慣れてるようで素早く助けて貰いました」

「初めて潜水技術が役に立ったんじゃないかい?」

鉈を置いて笑うのは与謝野晶子、武装探偵社の専属医らしい。

なんとか制止が間に合い誤解が解けたものの、強い女性とは恐らく此の人だろうなと見当がついた。

「アンタが、昨日マフィアの幹部と一緒にいた女なんだね?」

「そうですかね」

十中八九、私のことだろう。

「其れで? 一体何の用?」

体をゆらゆらと揺らす男。

ラムネの瓶をカラリと鳴らして、翡翠の瞳が細められた。

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梦夜深伽(プロフ) - 加奈さん» 中也の出番はこれから増やします!! (2020年6月6日 19時) (レス) id: 885dd45dfc (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 中也。 (2020年6月3日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
梦夜深伽(プロフ) - るるさん» ありがとうございます! (2020年6月3日 1時) (レス) id: fef69d0af7 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 文章が丁寧で物騒でめちゃくちゃ面白いです...!!更新楽しみにしてます..!!!! (2020年6月1日 15時) (レス) id: 30c2a422ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梦夜深伽 | 作成日時:2020年5月24日 23時

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