Can't stop

◇O22◇ ページ22

◇




それから、みんなが「今までごめん」と謝ってきて、私は「気にしなくていいよ」と笑った。



変な考えだとは思うけど、みんな、望のことを思ってただけだもんね。



大切な人が傷ついた時、守りたいと思うのは当然のこと。



それがあんな事件を引き起こしたわけだけど、その気持ちに嘘偽りはない。



「A」



「あ、流星……」



「良かったな」



この三年間、いつも私を支えてくれていた流星。



「………へっ」



「…………ごめん、今だけ」



流星の香りに包まれて、頭が混乱する。



「あー、好きやったなぁ」



初めて聞いた、流星のこんな弱々しい声。



「流星…………」



「何かあったら、いつでも頼ってな？望が泣かせたら、全力で奪いにいく」



「泣かせへん！」



流星のかっこいいセリフを聞いて飛び出してきたのは望。



え、いつからいたんだろう。



「Aのこと、もう傷つけへん」



「けっ、なんやねん。あほ、大根、ド変態」



「なっ………」



二人、やっぱり仲いいな。



「せっかくやから、望くん、家においでよ」



「Aん家！？」



「ちなみに俺と二人で暮らしてる」



「二人で！？あかんあかん！行くに決まってるやん！」



「望くんはやきもちやきだね」



今まで知らなかった望くんのこと、もっと、全部知りたい。



三年間の溝を埋めるように、私達は手を繋いで歩き出した。



「……って、なんで流星まで繋いどんねん！」



「えー？あかんの？」



「当たり前やあほ！！」




◇

◇あとがき◇→←◆O21◆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す