狂おしいほど愛してる (ページ12)

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ハイウェイページ12

重岡の運転する車は夜の高速道路を法定速度ギリギリで飛ばす。

重｢○○、眠いやろ。寝といてええで｣
助手席の○○に後ろの席から取っておいたブランケットを渡す。

○○｢ううん、大丈夫。

…ふわぁぁあ笑｣

重｢でっかいアクビ笑ほら、眠いやろ。着いたら起こしたるから。｣

○○｢うん…ありがとう｣

重｢はいはい、おやすみ｣

○○｢おやすみ…｣

助手席の○○の寝顔をちらりと見た重岡は頬を緩める。
そして幼き日の自分が○○と出会った時のことを思い出していた。

重岡はいわゆる孤児だった。
赤ん坊の時に教会の前に大毅、とだけ名前が書かれた手紙とともに置いておかれ、そこで他の子供と共に育った。
重岡は自分が捨てられたことを認めたくなかった。いつか親がむかえにきてくれる。そう願っていた。

6歳になったころ、この教会は街の外れにあることを知り、中心街に行けば親に会えるのではないか、子供ながらにそう考え教会を飛び出し、途中親切なおじさんの車に乗せてもらいながら街の中心に来た。

しかし、行く宛てもなくさまよい続けボロボロになりながら行き着いた先が○○の屋敷の前だった。塀の隙間から見えた中は広い庭に整えられた植木たち、そして可愛らしい女の子の笑い声と困ったように追いかける少し小さな男の子。完璧な世界だった。

重岡は神様を恨んだ。こうも違うのか、自分がなにか悪いことをしたのか、と。そんなことを思いながら重岡は意識を失った。