運命があるなら…2 ページ12
3時間目もそろそろ終わりに近づいた頃サクラちゃんから3人用とは違う大きさの手紙を渡された。これだ。おそるおそる開いて見るとそこには予想もしないことが書いてあった。
《覚えてない?帰るところだったのかな。
あの人が探してたのはちゃんとAちゃ
んだよ。》
私を探してた…?彼が…。
期待しても無駄だと説き伏せてきた気持ちが溢れ出した。
彼は私を探していた。私を待っていたんだ!
…え、でもなんで私を…?
サクラちゃんは他にも知ってるんじゃないかと思って振り返ってみたけどサクラちゃんはわざとらしくノートを取っていた。
これじゃあ無理に聞けないよ。
あーあ。せっかく嬉しかったけどなんかフクザツだな。授業早く終わんないかな〜。
授業が終わったらサクラちゃんに聞こう、と思って時が過ぎるのをじっと待っていた。
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キーンコーンカーンコーン
私はチャイムがなった途端急いで後ろのサクラちゃんを呼んだ。
「サクラちゃん!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。サクラちゃんは一瞬驚いてニコッと笑った。
「Aちゃん。どうしたの?あ、手紙のこと?」
そう優しい声でサクラちゃんは言った。
「そう。手紙のこと…なんだけどね。ききたいことがあってね。」
うん、とサクラちゃんは頷いた。
「サクラちゃん。ずっと疑問だったんだけどね。なんで昨日のこと知ってるの?」
サクラちゃんはじっと私を見つめて言った。
「なんでだと思う?」
ちょっと意地悪な顔のサクラちゃん。
「わかんないから聞いてるんじゃん。」
ちょっとふてくされたように言うとサクラちゃんは慌ててこう言った。
「ねぇ。怒らないで。ちょっといじわるしただけだよ。ね?」
「いいから。うん。教えて。」
「あ…うん。えっとね。」
サクラちゃんが言いかけた言葉はある人によって遮られた。
「サクラちゃんー!Aー!何話してるの??ねぇねぇ。話に入れてよっ!」
ほんとにこいつはタイミングが悪い。
「みんぎゅ。ちょっとはタイミング考えてよ。」
「え?タイミングって??」
悪気がないのはほんとにわかるんだけど今はやめてほしかったな。
せっかく聞けそうだったのに。ちょっと残念そうな顔をしてるとサクラちゃんが困ったような顔で覗き込んできた。
ごめん。サクラちゃんもみんぎゅも悪くはないんだけど…。私は彼が知りたいの。夢にまで出てきた彼を…。あの笑顔の裏を…。
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作者名:じゅな | 作成日時:2019年1月29日 1時