始まりは突然に ページ1
いつもの帰り道。なんの変哲も無い景色。
でもあの日は違った。
満開に咲き誇る桜の木の下に君はいた。
そして君は私を見て笑った。
「初めまして。君をずっと待ってたんだ。」
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今日はなんだかんだついてないなぁ〜。
お昼ご飯の後の昼休み。
グラウンドで遊ぶ男子たちを見てそう思った。
朝からずっとツイてない気がする。
いつもの変わらないはずの目覚ましは今日に限ってならなかったし、朝寝坊したせいで電車に乗り遅れた。遅刻こそしなかったものの、学校まで走ってきたせいで時間をかけてセットした髪はもうぐしゃぐしゃだ。
「はぁ〜。遊んで笑顔になれるくらいなら楽なのになぁ…。」
ほんとに憂鬱…。本当サイアク。
「A〜。どうしたんだよ？ため息なんかついて…。なんかあった？」
少し着崩したシャツは少し汗で濡れていた。どうせ、外で遊んできたのだろう。
「スンチョル、なに？別になにもないけど。」
あんたは毎日楽しそうね…、イヤミを言いたくなるほど笑顔で話してくるスンチョルは私の同級生であり、私の良き理解者でもある。
「なんだよ？機嫌悪いのか？まぁ、今日は数学の小テストもあったしな〜」
「その事はもう言わないで…。考えるだけでイライラする。ほんとにっ。」
「あはははっ。本当にお前数学苦手だもんな〜。今日のテストも散々だろ？」
「だからその事は言わないでってばっ。」
その話をするたびにだんだん私のテンションは下がっていく…。
『スンチョルー、おーい、移動教室だろ？一緒に行こうぜーっ！』
「あ、ちょっと待って！」と言ってスンチョルは私に、じゃーね、と言った。ばいばい、と言った私の顔がちゃんと笑えてたかなんてわからない。
「どーしたの？A。元気ないね〜？」
「ゆり〜。はぁ。私今日ツイてないんだわ。」
ゆりは頭が良くて本当にいいね、と呟くと彼女はそんな事ないって〜、と頭を振った。
「Aがもっとちゃんと勉強すればいい話でしょう。また教えてあげようか？」
「あ〜。今は頭に入らない〜。」
どうせなにを言われてもわからないのだから、お互いにとって時間の無駄にしかならないだろう。
「あ、A。移動教室でしょ。早く行かなくちゃ。」
ゆりは荷物を持って、
早くー、と急かしてくる。
「まだ時間あるでしょ。」
と言いながらも私は準備を始めた。
外を見ると遊んでいた男子の数がまばらになってきた。私はまたため息をつきながらゆりの後ろをついて行った。
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作者名：じゅな | 作成日時：2019年1月29日 1時
