赤色の薔薇は咲き乱れて。(jump×ym)

あまあまfall in love in×ym ページ41

【山田side】

いのちゃんは、女の子みたいに可愛い。

柔らかな見た目もそうだし、時折発する天然発言や無邪気な笑顔は見る人を皆虜にする力を持っている。

だから、だからこそ俺は分からないんだ。

俺がいのちゃんを可愛いと思っているように、いのちゃんが俺の事をかわいいと思ってくれているのが。

いつもそれとなく聞いてみても、伊野ちゃんお得意のナチュラルスルーではぐらかされてしまう。

それそろ俺もしびれが切れそうなので、今日！是非とも結論をつけてもらいたいと思う。



...なのだが。

「ねぇ伊野ちゃん、」

伊「んーっ？何、どうしたのやまだ」

俺の大好きな、可愛らしい笑みでこちらを振り向く愛らしい彼に早速切り出してみる。

「いのちゃんって、何で俺の事可愛いって思ってるの？」

自分でももうちょっと凝った言い方は出来なかっただろうかと思ったけど、1度放った言葉は戻ってこないので諦める事にする。

伊「ん〜？だって可愛いもん。当たり前じゃん」

...こんなにもガッカリする答えって、あるものなんだな。

いや、分かってたけど。何となく予想出来てたけど。

いざ言われると、何か、こうっね。何とも言えない気持ちになるわけよ。

「伊野ちゃんの方が可愛いじゃん、」

伊「山田が自分の可愛さに気付いてないだけ。だから、山田の方が可愛いよ」

「...えぇ、」

ちょっとひく。こんなに可愛い可愛い言われたら。

凄い嫌って訳ではないんだけどね。何だかんだほめられてるし。

って、伊野ちゃん頭良いのに、こんなの堂々巡りじゃん。

これ以上問いただしても埒が明かない事を察した俺は、そのまま何も言わず背を向けた。



「、...んッ？」

何だ、この、肩に置かれている手は。

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