赤色の薔薇は咲き乱れて。(jump×ym)

I'm Loving Loving Loving yt×ym ページ20

【山田side】

処は、楽屋。

今日俺達は雑誌の撮影で、今は知念と雄也と大ちゃんが撮りに行ってる。

他のメンバーはというと、光君は廊下でスタッフとお喋り、薮ちゃんは楽屋でスマホでサッカーの動画鑑賞、いのちゃんは何かフラフラとどっか行っちゃった。

俺は、ソファに座ってただ何もせずボーッとしてる。

そして、隣には...。



中「〜〜♪」

鼻歌を歌いながら、イヤホンをしてスマホを見ている裕翔。

かれこれ30分ぐらい隣同士なんだけど、ずっと俺の心臓が音を立てて鳴り止まない。

そう。俺、山田涼介は、

Jr.の頃から、裕翔に片思いをしている。

今でこそ沢山センターとして活躍させてもらってるけど、昔は俺なんか本当に、端の隅っこで小っちゃく踊ってるような奴だった。

特徴も、魅力も、自信も、これといって自慢出来る所が何にもなくて、ずっと途方に暮れていた。

いつになるかも分からないデビューを夢に描いて、追いかけ続けて、ただひたすらに頑張り続けていた矢先。


...裕翔が、センターになった。

俺なんかより魅力も、特徴も、自信もあってまさにセンターに選ばれるべき存在のような裕翔が選ばれたんだ。

全くおかしくなんかないのに、むしろ当たり前なのに。悔しくて、悲しくて、辛くて、「なんで俺じゃないの」って、誰に向ける訳でもない怒りを吐き続けて。

最初は、勝手に目の敵なんかにしていた。憎くて憎くて、仕方なかった。

...でも、気付いたら。

表での輝きを保つ為に、裏で必死に、沢山努力して、汗水垂らして頑張っている裕翔に、


あっという間もなく、惹かれていたんだ。

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