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それから少しして。家事は一通り終わったが、だんだん薬が切れて腹痛が酷くなってきた。取り込んだまま放置していた洗濯物を持ってソファで一息つく。
「あたまいたい…。」
そう呟いても何も変わらないのが現実。洗濯物を畳まなきゃいけないけどもうそんな気力もない。
あー無理、痛い…。
「ただいまー。」
え、裕翔の声!?まだ外は明るいのに…幻聴か?
「ただいま、やま。朝顔色悪かったから早く帰ってきたんだよ。」
「幻聴と幻覚とは頭やられてるな…。」
「幻聴でも幻覚でも無いってば。体調どう?」
「うーん、大丈夫っちゃ大丈夫…。」
「大丈夫じゃないんだね。ほら、ベッド行こ。」
ソファに座っていた俺を軽々と持ち上げ、俗に言うところのお姫様抱っこをされる。驚いて少し暴れても、「落ちちゃうよ。」の一言だけ。
ベッドに降ろされて、ふわっと布団をかけられる。そして、裕翔はスーツを脱ぎ始めた。
「なんでここまでしてくれるの…。」
「そりゃ、涼介が好きだからね。」
突然の名前呼びはずるいよ…。結婚したからもう俺は山田涼介じゃなくて中島涼介なのに、いつまでも「やま」と呼ばれていたのは少し不満ではあったけど。でもやっぱり恥ずかしくなっちゃって、布団を頭までかぶる。
「苦しくなっちゃうよー?よいしょ、一緒に寝よ?」
「ん、一緒に寝る…。」
裕翔の大きな身体に正面から抱きしめられてすっぽり収まる。ついさっきまで寝てたのに、生理中っていつでも眠気があるもので、おやすみのキスをしてすぐ寝てしまった。
俺、最高の人と結婚したと思わない?
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作者名:sunny | 作成日時:2022年3月19日 23時