検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:28,484 hit

3 ページ3

土曜授業も無事終わったので、午後からのアルバイトに出る。買い出しの連絡もあったので、スーパーで買い物を済ませて、軽く化粧をしてからお店に向かう。



叔父さんの経営している、会員制のカフェ兼バーみたいなお店。お店があるのはゴリゴリの都心部なのに、隠れ家みたいな雰囲気が私は好きだ。流石に制服なのはマズイので、最寄りの駅で私服に着替える。



「買い出し終わりました〜、着替えてきます」
「おつかれ。ゆっくりでいいからな」



営業前だからか割とゆるい空気感。黒いエプロンを身にまとえば、たちまちお仕事モード。下準備は叔父さんに任せて、私は掃除担当。飲食店だからこそ清潔感は重要なのだ。



アルバイト禁止の高校だから、この仕事は学校には内緒。叔父さんにも最初は反対されていたけれど、今後の自分の学費と生活費のためにと理由を説明すれば、シフトは夏休みと土日のみ、条件付きで渋々承諾してくれた。



このお店のことを学校の友人等に口外しないこと、あからさまに怪しい客がいたらきちんと叔父さんに話をすること、自分が学生であることは隠すこと。どれも破ったことはないけど、芸能関係の人が好んで利用している場所だからこそ、守らなきゃいけないこと。



ドアのCLOSEと書かれたプレートをOPENにひっくり返して、カウンターでコーヒー豆を挽く。ふんわり香るほろ苦い香り。まだブラックは飲めないけど、カフェオレは大好き。



カランコロンと鈴の音がする。こんな早くから…誰だろう?



「ようこそ、いらっしゃいませ」
「えへ、また来ちゃった」



いつもの、マスクとキャップ、眼鏡のお客さん。オムライスのウインナー入りを毎回頼んでくれる。あと私と一緒でブラックコーヒーが苦手で、芸能関係の方だということだけは知っている。名前は一切知らないけど。



「今日も、いつものでいいですか?」
「うん。今日はここで作って?」
「かしこまりました。オムライスひとつ、と」



伝票にボールペンで書き込んで、とりあえずお冷を提供。カウンター後ろのコンロでオムライスを作る。



「聞いてくださいよ、昨日アイドルさんに会っちゃって、しかもジャニーズの!しかも私の名前割れててびっくりしました。ここの関係者の人なんですかね」
「ふーん、多分そうなんじゃない?」
「ふーんて、話聞く気ないじゃないですか。もー…」



いつも私の話に付き合ってくれる常連さんだから、もっと親身に聞いてくれると思ったのに。意外と冷めてる。

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
108人がお気に入り
設定タグ:有岡大貴 , Hey!Say!JUMP
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream  
作成日時:2015年6月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。