桜、咲いたよ

手紙 ページ11

有岡side




あれから家に帰ってきて何度も手紙を読もうと

した。でも、イザとなると手紙を読む勇気が出

なくて、ずっと封筒とにらめっこ状態。



結局夜まで開けられなくて、自分の部屋にこも

って、眠たくなってきた頃にようやく封筒から

手紙を取り出した



手紙を開くと所々字が滲んでいて読みにくくな

っていた。



あいつ、泣きながら書いたのかよっ…………



目線を一番上に戻して手紙を読む



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大ちゃんへ


いきなりだけど、ごめんね。

東京に行くこと黙ってて。本当はずっと前から

決まってたんだけど、どうしても大ちゃんにだ

け言えなくて。


俺ね、最後まで大ちゃんの笑顔が見てたかった

んだ。大ちゃんの笑ってる顔、俺すっごい好き

なんだ。周りにいる人を自然に笑わせられて、

いつもキラキラしてて俺にとって太陽みたいな

存在だった。

大ちゃんの隣にいる時がすごく幸せだった。

だからね、大ちゃん。待っててくれないかな？

俺はこれから先も大ちゃんの隣で笑ってたい。

大ちゃんの太陽みたいな笑顔を見ていたい。

いつになるか分からないけど、ちゃんとした大

人になって、大ちゃんの背も抜かして、俺の大

好きなふるさとに帰るから。だからそれまで、

大ちゃんの隣、空けといてくれる？

ずっとずっと信じてるから、大ちゃんなら待っ

ててくれるって。


山田涼介より
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