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私が来ると思ってなかった光くんは
目を丸くして飛び上がった。
え？
飛び上がった。
…すーげぇ猫。
勢いが良すぎてドアが大きな音を立てた。
今更だけど、お客さんがいなくてよかった。
「急に来て、ごめんなさい…」
「急じゃないよ？」
「え？」
「今日はいつもの日じゃん？」
「…そうだね、」
「それより息切れ大丈夫？」
「大、丈夫」
なんだ、普通に話せてる。
光くんが心の広い人でまた助けられた。
そんなところも、大好き。
「もう、来てくれないかと思った」
「っ、」
「Aちゃんに会いたかった」
「私も、会いたかった」
「…よかった」
また笑顔を見ることができた。
私は、ずっとこの笑顔が見たかったんだ。
「逃げてごめんなさい」
世界的アーティストを前にして逃げ出すような
弱いやつだと呆れられたかもしれない。
それでも、もう一度、
私の想いを届けたい。
「光くんがUNIONだって知って、
一度は逃げたけど…私は光くんが好き。
光くんの傍にいたい」
気持ちを伝えるだけでもいいと思ってた。
けど、恋をすると人は貪欲になるんだと、
自分も恋をして知った。
以前の光くんの言葉にかけたい。
「俺も。Aちゃんが好きだよ」
「…ありがとっ、」
「俺と、付き合ってくれませんか…？」
そんなの返事はひとつしかない。
涙でぐしゃぐしゃな顔で、
精一杯の笑顔を向けた。
「っはい、！」
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作者名：しゃろむ。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/PLAYLIST01/
作成日時：2018年5月18日 4時
