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「最近Aが元気ないから調子狂うんだけど」
「お得意のツッコミないとさみすぃー」
「俺でよければいつでも話聞くよ」
自分の中では通常運転のつもりなんだが。
やっぱり動揺は隠せないらしい。
学校にいてもずっと空回り。
空元気なことすら気づかれて、
大好きなベースすら触れなくなりそうで怖い。
.
.
店を出て、がむしゃらに走って辿り着いた先は、
薮ちゃんと大ちゃんのライブハウスだった。
ここに来たはいいけどどうしようかと、
息を整えながら考えているところに
2人がライブハウスから出てきた。
咄嗟に隠れる所を探してしまう。
「あれ、Aちゃんじゃん」
「え？どこ！え！？」
「…こんにちは」
「あ、Aちゃん！」
相変わらず大ちゃんは騒がしい。
「どうしたの？」
「いや、ちょっと…」
「そっか。言いたくなったらでいいよ」
この2人だって、多分、
「光くんから…聞いた」
「うん？」
「2人も、UNION、なんでしょ…？」
僅かな沈黙ですら長く感じる。
答えのわかっている質問はただの確認で、
自分を傷つけるだけ。
息が詰まる。
「…そうだよ」
わかってはいても、
本人の口から直接聞くのはつらい。
「Aちゃんはどうしたいの？」
「え？」
「確かに、俺はUNIONではKingで、
ひかもLightだし、薮くんだってBeeだよ」
「…」
「けど、一緒に過ごした時間は
俺たちとの思い出なんじゃないの？」
「うん、ごめん…っ」
何も考えたくなくて、現実から目を逸らす。
私の生きる世界はここだと言い聞かせるように、
学校へと走る。
また、逃げた。
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作者名：しゃろむ。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/PLAYLIST01/
作成日時：2018年5月18日 4時
