みねらるうぉーたー【Yuto.N】 (ページ3)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:5,318 hit

＊ページ3

.
.

4月、慣れないキャンパス内をうろついて
フォトサークルの集まりを探した。

「ねえフォトサークル入るの？」

勧誘のチラシを手にキョロキョロしていたからか
裕翔くんに声をかけられる。
周りの話に疎い私でも、イケメンな新入生で
有名な裕翔くんのことは知っていた。

「うん。けど場所わかんなくて」
「じゃあ一緒に行こうよ！俺も入るんだ」
「あ、そうなんだ！ありがとう！」

広すぎる廊下を歩きながら、お互いの話をした。

「じゃあ講義もほぼ一緒じゃん！」

裕翔くんは同じ学部で学科も専攻も同じ。
カメラが主な趣味だけど、
他にもドラムとかたくさん趣味があると知った。

それに比べ、これといった趣味がない私は、
唯一子供の頃から続けているカメラを
ここでも始めようとして迷子になり、
裕翔くんに助けられたことを話す。

ちゃんと好きなことあるじゃん。

そう言われて初めて、
ちゃんとカメラが好きなんだと気づいた。
ずっとだらだら続けていただけだと
思っていたカメラは、私の趣味なんだ。

「こんにちは…」
「あ、もしかしてフォトサー希望？」
「はい。よろしくお願いします！」

わかりにくい所にあった活動場所に入ると、
人数は多くないが優しい先輩たちが迎えてくれた。

「…新入生私たちだけみたいだね」
「ね。まあでもその方がのびのびできるし」

それからというもの、
なぜか一緒にいることが多くなった。