* ページ11
イヤモニ越しにもその地響きが伝わってくるような爆音に、阿部とラウールが目を合わせた。
ab「どうした?」
iw『中衛からはなにも』
fk『佐久間、目黒!どっちでも良いから応答しろ!』
佐久間と目黒のマイクからはざあざあと音が流れるだけで、深澤の呼びかけにも数回は返答がなかった。
近接に何かあったことは明白だ。
ただ迂闊には近づけない。全員がなにも言葉を発せないまま静かになったとき、佐久間と目黒のマイクからの音も徐々に薄れていった。
mm『…こちら、近接目黒、っく、聞こえますか、』
fk『目黒、状況は』
mm『UCQAが自爆、佐久間くんに、直撃、意識ありません、けほっ』
ru「うそ、」
fk『めめは?大丈夫?』
mm『俺は、吹っ飛ばされた、だけなんで…ただ背中打って、動けないっす、』
ab「舘さん、照はそれぞれ佐久間、目黒を回収。ふっかは車回して。翔太と康二はこっち戻ってきて。早く!」
走り出した宮舘を追って岩本が走り出す。
深澤は車の手配に向かい、渡辺と向井は宮舘と岩本とは反対の方向に走り出す。
初めて見た阿部が声を荒げる姿と、モニターに映る映像にラウールは動けずにいた。
なにやらパソコンをじっと見つめていた阿部が、急に顔を上げた。
ab「俺たちさ、一応1班なわけよ。」
ru「…はい、」
ab「現存する班の中で1番だとされた班でもこうなる。UCQAの凶暴化はこういうことだ。」
ru「…」
ab「近接がやられたくらいで止まってたら、この先進めない。E-1班はそういう場所だ。俺たちと一緒に活動する覚悟はある?」
ru「…それは、」
ab「でも逆に言えば、3人は元のE-1班をより強くするために適任だったから異動命令が出たんだ。」
ru「阿部くん、」
ab「自信持って。期待してるよ。」
立ち上がった阿部を、ラウールは追いかけた。
410人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんこ | 作成日時:2020年9月3日 22時