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それから楓ちゃんと別れその足でAのマンションへと向かった。インターホンを押すが応答無し。部屋の電気はついていない。
仕方ない、待つか。
昨日と同じようにAのマンションの前に座り込んだ。
階段を上る音がして立ち上がると、見知らぬ女の人が怪訝そうな顔をこちらに向けてAの隣の隣の部屋に入って言った。
おれはため息をついてから、また同じように玄関の前に座り込んだ。
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それから何時間かして、また同じように階段を上ってくる音の方に目を向けると驚きと困惑が混ざったような顔をしたAが立っていた。
『なんで、』
広臣「A、悪かった。ごめん」
『…やです。』
俺がAの腕をつかみそう言うと、Aの口から出てきた言葉は確かな拒絶だった。
広臣「ほんとに悪かったって思ってる。Aの話を聞かずに一方的に最低な事言って」
『…臣さんだって、…』
Aの目に溜まった大粒の涙が1粒落ち、アスファルトが濃いグレーに変わる。
『昨日、楓ちゃんといた…。楽しそうしてたところ、私見たもん…』
広臣「…は?そんなこと?」
『そんなことって!ひどい!楓ちゃんの方が美人だしスタイルもいいし、けど、』
広臣「バカだな、ほんと」
俺がそう言うとAは泣きながらはあ!?って大きな声を出した。
ほんとに馬鹿だよ。俺たち。
広臣「昨日、楓ちゃんからAが坂下くんと俺へのプレゼントを買いに行ってたって教えて貰った。
だから楓ちゃんとは何もないよ。」
『…なんだ…』
こいつの事を好きになればなるほど不安になっていった。
それは俺からの愛の方がこいつからの思いよりも大きくなっていないか、そう思っていたから。
だけど、こいつも同じように俺のことで嫉妬して泣いて。
なんだ、よかった。俺だけが好きなわけじゃなかったんだ。
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葵(プロフ) - kotaさん» ありがとうございます(^^)明日載せる予定なのでお楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (2019年3月31日 23時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - また新作待ってます。特に隆二くん《*≧∀≦》 (2019年3月31日 14時) (レス) id: 1738584988 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 1980noさん» いつもありがとうございますm(_ _)m隆二さんお楽しみにお待ちください(^^)! (2019年3月29日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - 葵さん『JSB SEVEN JEWELRY』の完結お疲れさまでした。m(_ _)mまた新作と@LINEの方も楽しみにして待ってます\(^^)/ (2019年3月28日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - Koiru*さん» コメントありがとうございます(^^)もう少しお待ちください!m(_ _)m (2019年3月18日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2018年7月15日 19時