>> ページ46
.
そんな日から数日が経って、次の休みは会えないというAに渋々首を縦に振ったその例の休みの日。
特にやることもなく街をぶらついた。
そういえばもうすぐ健ちゃんの誕生日だったなんてことを考えながら。
何がいいかなー…。
ふらっと入ったインテリア雑貨の店で棚越しに見つけた馴染みある顔。
…は？
咄嗟に距離を置き、少し離れた見つからないような場所から遠目に様子を眺めた。
…ってなんで俺が逃げてんだ。
Aの隣で笑顔を浮かべているのは見知らぬ男だった。
誰だよあいつ…
もしかして、あいつが坂下くん？
丸みを帯びたキャンドルグラスを手に取るAの横で、Aよりも背の高い人当たりの良さそうな男性が何か話しかけていた。
距離近いし、なにしてんのまじで。
感じたことのないもやもやした黒い感情が心の中に積もっていく。Aに声を掛けることもなく何も買わずに店を後にした。
.
気がついたらAのマンションの部屋の前まで来ていた自分に驚きつつ、帰るのもめんどくさいしそのまんま部屋の前でしゃがみ込んだ。
日が落ちてから、すっかり暗くなった位に階段を上ってくる音がしてそちらに目をやると驚いた顔をしたAがこちらに駆け寄ってきた。
『お、臣さん！どうしたんですか？こんなところで、とりあえず中に』
広臣「いい」
『え、でも、、』
広臣「何してた？今日。こんな時間まで。
…酒飲んだ？顔赤いけど」
俺がそう言うとAはばつが悪そうに顔を逸らした。
…そういうことかよ。
広臣「もういい。別れる。」
『なんでそうなるんですか！？』
広臣「むかつくから。お前が他の男とほっつき歩いてんのが無理。だからもう連絡してくんな」
『ちがっ…、臣さん！』
俺がそう言っても泣こうとも嫌だとも言わないAにさらに腹が立って。俺だけか。こんなにお前を好きなのは。
階段の方に向かって歩こうとする俺の腕をAが掴んだ。
その手を俺はひどく強い力で振りほどいて、Aがあげた小さな悲鳴も気にせず元来た道を帰って行った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1949人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - kotaさん» ありがとうございます(^^)明日載せる予定なのでお楽しみにお待ちいただけると嬉しいです！ (2019年3月31日 23時) (
レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - また新作待ってます。特に隆二くん《*≧∀≦》 (2019年3月31日 14時) (レス) id: 1738584988 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 1980noさん» いつもありがとうございますm(_ _)m隆二さんお楽しみにお待ちください(^^)！ (2019年3月29日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - 葵さん『JSB SEVEN JEWELRY』の完結お疲れさまでした。m(_ _)mまた新作と@LINEの方も楽しみにして待ってます＼(^^)／ (2019年3月28日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - Koiru*さん» コメントありがとうございます(^^)もう少しお待ちください！m(_ _)m (2019年3月18日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵
| 作成日時：2018年7月15日 19時
