JSB SEVEN JEWELRY

Takanori.I ページ36

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クンツァイト･･･慈悲に溢れた風格と気品を漂わせたクンツァイトは他人への無償の愛を教えてくれる石。





健二郎「岩ちゃんの新しい子ってなんか、あの子に似てるやんな」


剛典「･･･そうですか？」




健二郎さんの言葉に同調するように直己さんはウンウンと二回頷いた。
あの子というのは今の臣さんの恋人で俺の元恋焦がれた人。



新しくここにやって来たお客さんのAちゃんを見た時に、今度こそ誰かに取られる前に俺のものにしなきゃとそう思い、俺の知るあらゆる手を使い指名にこぎつけた。




初めて彼女を見た時に真っ先に思い浮かんだのは歩美ちゃんの顔だった。
健二郎さんの言う通り雰囲気、顔立ち髪型まであの子に似ていた。




俺は別に歩美ちゃんの顔が好きだった訳では無いけれど、やっぱり女の子と過ごしているとあの子と比べてしまったり面影を探してしまうんだ。




女々しい男だと自分でもそう思う。
けれどそれくらい俺はあの子のことが好きだった。




健二郎「岩ちゃん実はまだ歩美ちゃんのこと好きなんちゃう、笑」




まさかな！って笑いながら茶化す健二郎さんに笑顔でそんなことないですよとそう返す。けれど健二郎さんは途端に悲しそうな顔になって、･･･そうかとそれだけ言った。




剛典「･･･行ってきますね、仕事」


健二郎「おん。、頑張ってな」


剛典「ありがとうございます」




Aちゃんと会う約束の時間が迫ってきていた。
おろしたてのコートを羽織り、思わず出そうになるため息を呑み込んだ。





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