Winter love story

010 隆二 eyes ページ42

..R..




時刻はPM １:３０





「どっか行きたいところ、ない？」


「え？」


「まだ昼だし、天気もいいし、どっか連れてってあげるよ！」




うーん･･･と首をかしげて考えたAちゃん。



隆二くんがよかったらなんだけど、と前置きした上で彼女が言ってくれた言葉は。




「今日、晩ご飯も作ろうか･･･？」







.








いま俺らは家から少し離れたスーパーにいる。



カートを押して食材を選ぶ彼女の背中を見ながら、こんなに嬉しい気持ちでスーパーを歩くのは初めてだな･･･なんて思った。




どこかに出かけようとしなかったのはきっと、
俺の立場を考えてくれたんだろうな。


それに加えて、手料理なんてもう長いこと食べてないって話したから。





何食べたい？と聞く彼女にリクエストしたのは大好物の明太子スパゲティ！





で、食材を買って車に戻ったんだけど。



少し遠回りして帰ろうか？と言ってみたら、すごく嬉しそうにうなずくから･･･


ほら、やっぱり本当はどこかに行きたかったんじゃん！なんて思った瞬間




────･･･ 胸の奥がキュン、として。




完全に撃ち抜かれた、俺の心。







.







ドライブしたあと家に帰って、Aちゃんに手伝ってもらいながら掃除したり洗濯したり。


途中、脱線してはふざけて遊んで笑い転げて。



ご飯の準備をするためにキッチンに立つ彼女の邪魔をして、ハウス！なんて叱られて、大人しくリビングに戻る俺。





あー･･･、マジで幸せ。






「できたよー！」



両手を広げて彼女が指すのは、ダイニングテーブルの上に並ぶ手料理。



明太子スパゲティ オニオンスープ

シーザーサラダ カプレーゼ



レストランか！ってくらい綺麗に盛り付けられてる。


当然、味もめっちゃうまくて本当に関心してしまった。





だけど、がっつく俺をニコニコしながら見つめる彼女はやっぱり全然食べなくて。


二日酔いがまだ治まらないんだもん、と言う。




一緒に過ごせていることにすっかり興奮していた俺は、あんまり気にしてあげられなかった。








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それから、「明日仕事だしもう帰んなきゃ」と言う彼女を送っていくことに。



本当は帰したくなかったんだけどね、そんなこと言う勇気はまだなかった。





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