Winter love story

005 隆二 eyes ページ37

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初めて見る涙に、身体が固まった。



半開きの口唇からはなにか言葉が漏れていて。




「───ゆ･･･き ･･････ぅ、き」




雪？ え？ 何だ？




何を言っているのかも気になるところ。


でもそれよりもっと俺の目を奪うのは･･･


寄せた眉と 開いた口唇。


寝ているだけなのに、こんなに目を奪われるなんて。




「────･･･ 俺、ヘンタイなのかも。」




そしてふと目に入った彼女のピアス。


もう1度マジマジと見ては、やっぱり間違いないと確信する。


ATSUSHIさんが落としたのと同じクローバー。


最近Aちゃんがよくつけてたやつ。





愛想がよくて、みんなと仲良くできる彼女はもちろんEXILEメンバーとも仲良しで。


その中の誰かと関係があっても全然不思議じゃない。




あれ？でも･･･ATSUSHIさんには女がいる！って岩ちゃん言ってなかった？


あっぶね、よかった。


ATSUSHIさんが敵なんて絶対勝てっこねーし。





「────･･･ ぷっ」




まだ何も彼女のこと知れてなくて、俺のことだって全然知ってもらえてないのに･･･


勝手にあれやこれや考える自分がおかしくて、つい笑ってしまった。




.





彼女の耳でキラキラ光るそれを、指でなぞる。


そのまま髪へと移動させて、彼女の頭をゆっくりと撫でて。


それからその手を頬に落としたあとは、すべすべした感触に感動した。




彼女が皺を寄せていた眉は、いつの間にか下がっていて。


頬を撫でる俺の手の甲に小さな白い手を重ねたと思えば･･･


少しだけ、微笑んでいるように見える。


そのままずいぶん長い時間、彼女と手を重ねてた。






.






ねえ


君を夢の中で泣かせたのは、誰？


君を夢の中で笑顔にしたのは、誰？


俺も、Aちゃんの表情を変えてみたい。





ふつふつと心の奥から湧き上がるその思いは邪念なんかじゃなく･･･


もっともっと手強い、何か別のモノ。






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