Winter love story

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おじさんの家は、奥さんと息子の３人家族。



奥さんと結婚したのはママが失踪する前で、奥さんも必死でママを探してくれていたらしい。


当時は夫婦そろって大変落ち込んでいたと。



やんちゃな１人息子はもう20歳を過ぎていて。


バイトしながら海外を飛び回ってはひょっこり日本に帰ってくる、自由人だと言う。





「だから遠慮することはないよ。緑が残した大切な君を、幸せにしてやりたいんだ。」


そう言ってくれた。





冬休みの機会に泊まりに行ったわたしは「いらっしゃい！」と笑顔で迎えてくれた奥さんの洋子さんと、たくさんの話をした。


好きな食べ物、好きな遊び。

学校の友達のこと、好きな男子のこと。



ママや初美さんは仕事柄か、いつもキリッとビシッとキマッていたけれど。


洋子さんはまったく真逆で、化粧っけのない真ん丸な顔をくしゃっとして笑うおかあさん。


すぐに洋子さんに懐いたわたしはお世話になることを決めた。





引っ越しは中学校に上がると同時にすることになり、それまでは毎週末お泊まり。



ある日の日曜日、洋子さんとカレーを作る為にキッチンに立っていたとき。


ガチャガチャドタバタと大きな音をたてて、男の人がリビングに入ってきた。



そちらに目を向けることはなく、TVのゴルフ中継を見ているおじさんが


───･･･ おお、鉄砲玉のお帰りか


と笑ったのが印象的で、いまでも覚えてる。



「なんだよそれ、つーか腹へった！なんか食い物ない────･･･ は？誰このガキ」





あんたねえ！帰ってくるなら連絡くらいよこしなさいよ！と言う洋子さんに耳を掴まれてるこの人。


色黒でゴツくて、ドレッドヘアーのとにかく柄が悪いこの人は。





────･･･ 五十嵐 広行





後に LDHの代表取締役社長になり

EXILEをバカ売れさせて

数々のグループを手がけるプロデューサーにもなる





────･･･ EXILE HIRO。





わたしの、いとこ。





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