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避けられている。
避けられてるっていうか、完全にシカトされている。
離れよう、と決意した日から3日間。
毎晩着信を残しているものの、全然折り返しがこない。
何で?篤志、どうしちゃったのかな・・・
見捨てられたようで寂しくて涙が溢れる。
ひとしきり泣いた後、とある相手へ電話をかけた。
────・・・ プルルルルルル
────・・・ はいよ!
「あ、TAKAHIRO?おつかれー」
────・・・ おうおつかれ!
「ちょっと聞きたいんだけど、明日のスケどうなってる?」
────・・・ 明日は確か朝からMV撮影、18時から事務所で打ち合わせだったかな。
「そうなんだ、さんきゅー」
────・・・ どうした?
「こっちのスタッフと人数調整したくて・・・でもやっぱいーや!」
────・・・ ああそうな『たかひろー、早く飲もうよお〜』
「・・・ あらやだ、忙しい時に失礼しましたね」
────・・・ いや、ちょ、これは『はーやーくー』
「とにかくありがと、じゃーねー」
・・・あんのチャラ男め。
まあいいや、これで篤志のスケジュールがわかったしね。
明日直接話そう。
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翌日、デザインの仕事が残っているフリをしてデスクで待機。
上の階には会議室が何個か入ってるフロアがある。
そこからEXILEのメンバーが降りてくれば打ち合わせ終了の合図。
篤志は資料にじっくり目を通すタイプで、打ち合わせが終わってもすぐには出てこない。
メンバーより、スタッフよりも後に出てくる。
エレベーター前の休憩スペースで、コーヒーを飲みながら様子を伺っていると
「お疲れーす!」
口々に言いながらメンバーが降りてきた。
みんなが「おー!Aちゃん!お疲れ!」って声をかけてくれる。
ただひとり、TAKAHIROだけは「あれは誤解だから!」とかわめいていたけど・・・
どうでもいいよ、そんなこと!
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「よし、そろそろみんな降りたかな?」
3階の会議室フロアへと向かった。
エレベーターを降りると、ドアのすりガラスから灯りがもれる会議室がひとつ。
─────・・・ コン、コン
ノックをすれば、聞こえてきたのは予想通りの相手の返事。
他の声は聞こえない。
ドアを開けるとこちらを見ていた篤志がわたしに気づき、びっくりしたような、困ったような複雑な顔をした。
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Me(プロフ) - 紫 Yukariさん» そうなんですね!!篤志との関係、個人的に好きだったので何か寂しいですね(T_T)これからも更新楽しみにしてます!続編嬉しいです! (2016年5月20日 21時) (レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
紫 Yukari(プロフ) - Meさん» コメントありがとうございます♪楽しみにしてくださって嬉しい!(●´艸`) その通り、篤志との関係は終わりました!わかりにくくて申し訳ない(>_<) (2016年5月20日 7時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
Me(プロフ) - もー( ; ; )次が楽しみです( ; ; )あの…主人公ちゃんと篤志は終わった(?)ってことですかね??すいません…いきなりこんな事を聞いてしまって( ; ; ) (2016年5月19日 21時) (レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
Me(プロフ) - 紫 Yukariさん» これからも読みに来ますね!笑 はい!宜しくお願いします! (2016年5月18日 19時) (レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
紫 Yukari(プロフ) - めんめんまさん» めんめんまさん、ありがとうございます!はじめて感想を貰ってめちゃめちゃ嬉しいです・・・!初心者なので、読みにくかったりするかもしれませんが頑張りますね☆これからもよろしくお願いします(^^)/ (2016年5月18日 16時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 Yukari | 作成日時:2016年5月11日 16時