Winter love story

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優樹の顔は、傷ひとつついていなくて。


月並みな表現だけれど本当にただ、寝ているみたいで。



絶対嘘だ。冗談に違いない。


だって約束したもん、迎えにくるって･･･





事態を理解できていないわたしはお通夜のときも泣かなかったけれど


彼が火葬される直前に、一気に現実へと引き戻された。





やめて、やめて、連れて行かないで･･･！


そう叫んで 泣いて泣いて 棺にしがみつくわたしの背中を


優樹のお母さんがずっと抱きしめていた。





「────･･･ ごめっ･･･なさっ･･･ゆ･･うき、

わた･･･っしの、せいで･･･っ」





たった１人の息子をわたしが奪ってしまった。


優樹のお母さんを


あの日のわたしのように･･･ひとりぼっちにしてしまった。





それなのにお母さんは


「違うのよ･･･Aちゃんのせいじゃない」


そう言いながら背中さすってくれた。





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通夜 葬儀が終わって


小さな壷に入れられた優樹が、お母さんと２人で住んでいたアパートへ帰ってきた。





優樹の遺影は、夏に海へ行ったときわたしが撮ったもの。



楽しかったな。


真理亜や亮介くん 直人くん


他にもたくさんの友達と、１日中遊んだね。



来年も行こーぜ！って笑ってたじゃん。


なんで？ また行こうよ、優樹･･･





ただ遺影を見つめ続けるわたしに


「Aちゃん、これ･･･」


優樹のお母さんが差し出したのは可愛くラッピングされた、小さな箱。



優樹の机の引き出しに入っていたというそれを
ゆっくり開けてみる。




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Merry Xmas！


金色の文字でプリントされたカードの裏には優樹の字で


A！これからもずっとずっとよろしく！


と書かれていた。





中に入っていたのは、シルバーのリング。





「────･･･ 今日、Xmasイブだったわね･･･」


そう呟くお母さんの涙声を聞いて


うずくまって また泣いた。




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ごめんね優樹。


あなたの未来を、わたしのわがままで奪ってしまった。





────･･･ どうして冬は、こんなにもわたしを苦しめるんだろう。





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