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『可愛いね!早く見たいよー!』
そう返信してくれた隆二くんとは、それから少しの間会わなかった。
本当にたまたまだし、たった数日だけど、こんなに会わないのは初めてだったから少しさみしい。
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事務所の休憩スペースのソファー。
最近わたしはここにいることが増えた。
オフィスの中は相変わらずバタバタしていて・・・
なんだか居心地が悪くって。
だからメイクで外に出たいけど、ツアーを控えたみんなはTVの露出よりもスタジオにこもる方が多い。
「────・・・はぁ、」
小さいため息を漏らしたとき。
「あ、いたいたAちゃん!」
走り寄ってきたのはヒロ兄のマネージャーをしてる神崎さん。
マネージャー兼、社長秘書みたいな感じ。
ヒロ兄より2つ年下の優しいお兄サンで、わたしも昔から知ってる。
「神崎さん、どうしたの?」
「社長が“A探してきて”って言うから」
「大変だね(笑)人探しまでさせられて」
「本当だよ!だから早く行ってやって(笑)」
「はーい」
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「これ、篤志に渡してきてくんねーか」
渡されたのは、資料かなんかが入った封筒。
「・・・え?それだけのために呼んだの?」
「そうだけど。」
「・・・神崎さんに頼んだ方がスムーズだったんじゃないの」
「まあまあ、そう言うなって(笑)どうせヒマだろ?」
「・・・ヒマにさせたのは誰ですか」
ちょっとだけ憎しみを込めて睨んでみる。
「ツアーが始まれば同行するんだから、いままで通りだろ?我慢しろ我慢!」
「・・・篤志どこにいんの」
「ミキサールームにいると思うから」
「篤志ってミキサールームに住んでるの?」
「そんなワケないだろ(笑)」
なんかいつもミキサールームにいるなあ、なんて思いながらエレベーターに乗り込む。
音響設備や防音設備が整った部屋が集まるこのフロアは、ちょっと異空間な感じがして好き。
廊下に敷かれた絨毯も、なんか好き。
ガラスから中を覗くと、ヘッドフォンをつけて機材を触る篤志の姿があった。
────・・・ コン、コン
ノックしてみるも、気づかない。
「そりゃそうだヘッドフォンしてるし」
気づいてもらえるように、バタバタと動いたり手を振ったりしてみる。
するとこちらに気づいた篤志が、呆れたような顔をしたあとに笑って、手招きをした。
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みほこ(プロフ) - ニヤニヤがとまりません♪そしてまさかのピアス発見!!主人公ちゃんと隆二くんのかわいさに私もお仕事がんばれます♪もちろん、これからも楽しみにしてます♪ (2016年6月8日 9時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
紫 (Yukari)(プロフ) - みほこさん» コメントありがとうございます☆プレゼントの反応、更新しました。いかがだったでしょう( ´ ▽ ` )ノ この先も読んでもらえると嬉しいです! (2016年6月7日 21時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
紫 (Yukari)(プロフ) - ねーやんさん» それなら良かったです(><)ATSUSHIをぶっこむタイミングを日々模索中・・・!(笑) (2016年6月7日 21時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - プレゼントの反応が楽しみです♪ (2016年6月6日 23時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わけわからなくなはってませーん(^_^)むしろ個々の雰囲気が出てきた感じですねぇ。ATSUSHIのぶっこみ楽しみにしてます。ってか臣くんがぶっこんできましたね(笑) (2016年6月4日 11時) (レス) id: 99e7168525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 (Yukari) | 作成日時:2016年5月30日 23時