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なにもなかったことにしよう。
あれはわたしの欲求不満が生み出した、妄想だったんだ!
とマインドコントロールをかけたことが成功したのか。
結構しっかりと忘れていたわたし。
ていうか普通・・・あんなこと忘れる?
自分のバカさに呆れてしまう。
今日はきちんとお酒の量を調整しよう。
あんな雰囲気にならないようにしよう。
隆二くんのあの目に囚われてしまえば、わたしの身体は動かなくなる。
よし。平常心、平常心。
「お待たせー!喉かわいたー!飲もー!」
「────・・・ っ!!? うわあっ!!!」
どうしたの!?と驚く隆二くんは上半身裸で。
拭ききれなかった雫が髪から落ちて、鎖骨を濡らしてる。
彼らが上半身を出してるなんていつものことだから、全然見慣れてるはずなのに・・・
なぜか今日はすっごく色っぽく見えて。
保とうとした平常心は一気に崩れてしまった。
「・・・なっ、! なんでもない、ですよ・・・!」
「あははっ!(笑) 絶対なんか変だって!」
ソファーにあったぬいぐるみで顔を隠すわたしに、はいっ!と缶ビールを差し出して。
2人でカチン、と缶を合わせる。
だめ!わたし今日、顔見れない・・・!
そこで、狼狽えながらも思いついた苦肉の策。
「隆二くん、ここにおいで!髪乾かしてあげる!」
ソファーに座ったわたしの足の間に座らせてしまえば、顔を見なくて済むでしょ?
「あー・・・気持ちいい。」
ブローされて呟く隆二くんは、胡座をかいて下を向いてる。
肩幅こんなにあるんだ、とか
お肌めちゃくちゃ綺麗だな、とか
大きい背中だな、とか
仕事中は意識しないところばかり見えてしまって・・・
結局、苦肉の策は逆効果だった。
「Aちゃーん・・・?」
「・・・っえ!?」
「暑いよー・・・」
「・・・っああ!ごめんね!?」
とっくに乾いている隆二くんの頭に、ドライヤーを当て続けていたみたい。
マジでコイツおかしいな、みたいな顔をした隆二くん。
わたしの隣に座り直し、心配そうに覗きこむ。
「Aちゃん、具合悪い・・・?」
「全然具合悪くないよっ!大丈夫!」
そういって、500mlのビールを流し込んだ。
「ならいいんだけど・・・」
腑に落ちない顔で立ち上がった隆二くん。
見上げるわたしに「ハイ!」と差し出されたのは、小さな紙袋。
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みほこ(プロフ) - ニヤニヤがとまりません♪そしてまさかのピアス発見!!主人公ちゃんと隆二くんのかわいさに私もお仕事がんばれます♪もちろん、これからも楽しみにしてます♪ (2016年6月8日 9時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
紫 (Yukari)(プロフ) - みほこさん» コメントありがとうございます☆プレゼントの反応、更新しました。いかがだったでしょう( ´ ▽ ` )ノ この先も読んでもらえると嬉しいです! (2016年6月7日 21時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
紫 (Yukari)(プロフ) - ねーやんさん» それなら良かったです(><)ATSUSHIをぶっこむタイミングを日々模索中・・・!(笑) (2016年6月7日 21時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - プレゼントの反応が楽しみです♪ (2016年6月6日 23時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わけわからなくなはってませーん(^_^)むしろ個々の雰囲気が出てきた感じですねぇ。ATSUSHIのぶっこみ楽しみにしてます。ってか臣くんがぶっこんできましたね(笑) (2016年6月4日 11時) (レス) id: 99e7168525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 (Yukari) | 作成日時:2016年5月30日 23時