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「ねー臣くん」
「・・・ん 」
「わたしのこと嫌いなの?」
「・・・・・・・・んなことねーよ」
「だってすぐ怒る」
「んなことねーって」
「隆二くんはいつも「そんなに隆二隆二言うならいい加減付き合ってやれば?」」
「だから・・・なんでそうなるの」
溜め息つきながら睨むわたしの肩を抱いた臣くんが、耳元でこう言った。
「ヤッてみれば忘れられるかもよ、ユーキを」
────・・・そんなことで忘れるなら、篤志に抱かれた時点で忘れてるよ
って思ったけど、口に出すのはやめた。
鼻の奥がツンと痛くなって、喉にはなにか詰まる感じがする。
・・・絶対泣くもんか。
「・・・臣くん」
「・・・・・・・ん」
「なにしにきたの」
「死んだフリごっこ」
「─────・・・・・・」
2人で目を瞑っていると・・・
また1人、近づいてくる足音。
「え、アンタ達なにやってんの」
「「 死んだフリごっこ 」」
「・・・あっそ。 登坂、ELLYが探してるよ」
「・・・へーい」
立ち上がった臣くんは
わたしの頭にポンッと手を置いて、いなくなった。
そして代わりに隣へ座った真理亜。
「で、アンタはなんで涙目なわけ」
「・・・臣くんが嫌なことばっか言う」
「・・・へーぇ」
「真理亜でしょ、余計なこと話したの」
「・・・いーや、知らない」
ブルブルと顔を振る真理亜の顔は半笑い。
「なにを企んでるのか知らないけど、優樹の話すんのはやめてよ」
「・・・さっ、レッスン戻ろーっと」
そそくさと逃げて行った。
もう、なんなの・・・!
また、目を瞑ったところで聞こえてきたのは猛ダッシュで近づいてきた足音。
今度は誰よ!!と目を開けると、走ってきた隆二くんがわたしの前で止まった。
「─────・・・ ハァッ・・・ハァッ・・・!」
「隆二くん?どうしたの?」
「─────・・・ 臣にっ・・・ここにいるって聞いて・・・っ!」
「うん・・・?」
「俺っ・・・!朝、覚えてなくて・・・っ!」
ああ、思い出したのかな・・・?
「大丈夫だよ、なんにもしてないから」
「・・・? ほんとに・・・?」
「うん、ほんとに。」
なにも、なかったことにする。
止まらなくなる前に・・・傷つけてしまう前に。
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みほこ(プロフ) - ニヤニヤがとまりません♪そしてまさかのピアス発見!!主人公ちゃんと隆二くんのかわいさに私もお仕事がんばれます♪もちろん、これからも楽しみにしてます♪ (2016年6月8日 9時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
紫 (Yukari)(プロフ) - みほこさん» コメントありがとうございます☆プレゼントの反応、更新しました。いかがだったでしょう( ´ ▽ ` )ノ この先も読んでもらえると嬉しいです! (2016年6月7日 21時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
紫 (Yukari)(プロフ) - ねーやんさん» それなら良かったです(><)ATSUSHIをぶっこむタイミングを日々模索中・・・!(笑) (2016年6月7日 21時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - プレゼントの反応が楽しみです♪ (2016年6月6日 23時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わけわからなくなはってませーん(^_^)むしろ個々の雰囲気が出てきた感じですねぇ。ATSUSHIのぶっこみ楽しみにしてます。ってか臣くんがぶっこんできましたね(笑) (2016年6月4日 11時) (レス) id: 99e7168525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 (Yukari) | 作成日時:2016年5月30日 23時