叶わぬ恋

臣side ページ23

俺は身体が先に動き､


隆「臣!!汗」


隆二が俺を呼ぶ声がしたけど､気にせず､
Aちゃんを追い掛けた…､


声を掛ければ鍵が開く音がした…､


入っていいって事だろうから､俺は部屋に入り鍵を掛けた…､


するとAちゃんは布団の中に居て､
鼻をすする音が聞こえた…､
1人で我慢して泣いてると思うと胸が苦しくなった…



臣「Aちゃん？泣いてるのか？」

『諦めたいｯｯ…､』



と泣き声で苦しそうな声が聞こえた…､

だから､俺は堪らなくなり､
Aちゃんのベッドに腰掛け…､
布団の上から抱きしめた…､



臣「泣き顔見ねぇから､泣きたいだけ泣け！」



俺がそういうとAちゃんは声をあげて泣いた…､



『……ツラいよぉーｯｯ､』

臣「あぁ」



ツラいよな…､

俺はそんなAちゃんを見てんのがつれぇよ…



『こんなにｯｯ……健ちゃんが好きやのにぃーｯｯ､』



ほんとに好きなんだな…､

そんなに泣くならやめろよ…､

健ちゃんを好きになんのは…､




臣「Aちゃん…？」



優しく名前を呼ぶと､布団から顔だけ出してくれた…､けど､思ったより顔が近くて…､
その泣き顔が可愛くて…､

そして…､

Aちゃんの顔が赤くなるのが分かった…､


『………ｯｯ､』


今すぐにでも俺のモノにしたいと思った…､

俺はAちゃんの頬に手を優しく添えた…､



臣「俺にしなよ？」



Aちゃんは目を見開いた…､



『おみ…さん？』



と困ったような顔をしたから…､
俺は何も無かったかのように､微笑んだ…､



臣「今日､俺の家おいで？
なんもしねぇから！」

『え？』

臣「健ちゃんと2人で居るのと､
俺と居るのとどっちがいい？」



多分…､
今日は健ちゃんと2人では居づらいと思うから…､

Aちゃんは俺から目線を逸らした…､



やっぱり､健ちゃんには勝てねぇかぁ…､


と諦めかけた時…､



『おみさんがいい…､』



とAちゃんの小さな声が聞こえた…､

顔がかなり緩みそうなのを抑え…､
いつも通り､優しく微笑んだ…､



臣「フｯ笑､なら健ちゃんに言ってくるから､
待ってな！」

『うん､』

臣「いい子！笑」



素直に返事をしてくれたAちゃんの頭撫でて､
健ちゃんと隆二が居るリビングへ戻った…､



隆「臣…」



隆二は俺がAちゃんに何かしてねぇか心配してんだって分かる顔をしてた…､

何にもしてねぇのによ…､

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