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企画書の資料作りがひと段落したところで、時計を見る。
『今頃、順位発表かな…』
コーヒーを準備しようと給湯室に向かう。
準備しようと思うが、手が動かない。
気づくと走っていた。
スタジオに。
隅の方から少し見るだけ。
誰にも気づかれないように、そっと。
ちょうど11位からの発表の時で、順番に呼ばれていく練習生たち。
4位、3位と発表されて残るは…。
うそ…
私は口を手で覆った。
そうしなければ、声が漏れてしまいそうだったから。
1位候補として呼ばれたあなたはいつものように優しい笑顔で、そのあと自分の名前が呼ばれたときもとても落ち着いていた。
おめでとう。
本当におめでとう。
顔が見れてよかった。
元気でた。
現場復帰早くできるように今出来る仕事頑張らないと。
『よし』
くよくよしてるなんて私らしくない。
収録が終わると、私はそーっとその場から出て行く。
廊下を歩いていると、懐かしい声が私の名前を呼んだ。
「Aさん」
温かい手が私のそれを包んでいた。
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杏花(プロフ) - ファニさん» コメントありがとうございます!応援して頂けて嬉しいです♪ノロノロ更新になりますが、頑張りますのでこれからもよろしくお願いします^^ (2017年7月20日 0時) (レス) id: 1aafa2c1d9 (このIDを非表示/違反報告)
ファニ(プロフ) - 読ませていただいてます。 この話を読みながら思い返しています(T_T) めっちゃ応援しています^^ これからもp(*≧ω≦)/ ファイティン♪ (2017年7月16日 19時) (レス) id: 787a0420f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏花 | 作成日時:2017年6月22日 1時