箱に仕舞って、開けないで (ページ6)

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それからページ6

それから、その場でサクッと終わらせる業務の分担をした

隣にいたからって理由が1番だろうけど、大夢くんと2人でプリントのホチキス留を任された

…1番大変そうだよ

大夢「まぁまぁ、お話しながらやろ！」

『そうだね』

そうは言ったものの、上手く会話を繋げられない私
大夢くんがその話題を拾っては繋げ、って何回もしてくれてる

お互い少し休憩してた時
外の景色をちらっと見ると、ちょうど校門前で手を繋いで歩くカップルがいた

『いいなぁ、』

プリントを手に持ったまま口に出てしまった

大夢「ん？」

『いや、えーっと、』

　
流石に会って間もない人に恋愛話なんてできない
なんか適当な言い訳を探してたけど、見つからなくて
そうこうしてる間に大夢くんも私と同じ方に視線を向けた

大夢「あー、カップルだね」

意外とあっさりした反応

『どうやったら好きな人できるんだろ、』
どうやってみんなそれぞれの“好きな人”を見つけるんだろ

言ってからハッとする
こんなの人生相談が過ぎる

『や、なんだろうね急に、ごめんね〜はは…』

私の焦りに気づかず、そうだねぇって真剣に考えてくれてる大夢くん

『じ、じゃあ大夢くんはお付き合いしたことあるの？』

話を少し逸らそうと大夢くんに質問した

大夢「うん、あるよ」

『あ、あるの？！』

大夢「何回か」

『え、え？！』

大夢「んーと、3人と」

私の相槌、合いの手にもならない言葉に反応して詳しく教えてくれる大夢くん

『付き合うって、どんな感じなの？』

大夢「んー…空っぽ」

『空っぽ、？』

付き合うって、もっと嬉しいことだと思ってた
幸せで、これ以上ないくらい笑顔に溢れるものだと

けれど、大夢くんから出てきた言葉はその幸せとは程遠い、悲しい言葉

大夢「どんなに幸せでもさ、たった一瞬で全部なくなって、空っぽになるんだよ」
悲しいよね

過去を思い出して話してるであろう大夢くんに
なんて言葉をかけると良いのか分からないまま時間は過ぎて

大夢「よし！全部終わったね〜」
Aちゃんもお疲れ様！

帰る時間になってしまった