箱に仕舞って、開けないで (ページ18)

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これが普通？ページ18

大夢「はい」

静かに瑠奈の方に振り向いた大夢くん

瑠奈「疑いたいわけじゃないけど、高塚くんAのこと遊んでるわけじゃないよね？」

大夢「…はい？」

さっきとは違う、低くて冷たい声
遥さんの時と同じ雰囲気を感じた

大夢「違いますよ、至って真剣です」
んー、とスマホを見て考えた大夢くん

大夢「付き合ってた人とは、別れた後連絡とってないし、LINEも消してるんですけど」

そう言いながら瑠奈の方に歩いて行く大夢くん
何か嫌な予感がして、私も大夢くんの後ろに着いて行った

開いていたアプリはそのままに、設定画面を開いた大夢くん
“全てのコンテンツを削除しますか？”
という文字が表示された

『え、大夢く…』

ポンっと軽い指の動きで“はい”を選択した大夢くん
リロード画面に移り変わって数秒

“全てのデータ、コンテンツの削除が完了しました”
の文字が表示された

一連の流れを見ていた私と瑠奈、優奈は開いた口が塞がらず何も言えないまま

大夢「…あとは何したら信じてもらえる？」

スマホを瑠奈に見せて、次は？と聞く大夢くん
今、削除した？

『ちょ、大夢くん何してんの？！』

大夢「何してんのって、全部消したの」
Aちゃんと、お友達に本気だよって信じてもらうために

『そこまでしなくても信じるよ！！』
ねぇ？と瑠奈と優奈に聞くと

瑠奈・優奈「信じる、流石にそこまでするとは思ってなくて…」

データを消した大夢くん本人はあまり気にしてなさそう

『だってそのスマホ、クラスLINEとかあったよね？！大事な写真だって…』

大夢「LINEはまた入れて、必要な人のやつだけ登録したらいいし、写真は別の端末にデータ移してるから平気だよ」
心配してくれてありがとう、ってニコニコしてる