この気持ちは ページ13
委員会が終わって、みんなゾロゾロ教室から出ていく
大夢くんも、そろそろ行こっかって立ち上がった
今、言わなかったら後悔する
そんな気持ちが先走って
大夢「ん？Aちゃん、どうしたの？」
大夢くんのシャツの裾を少し引っ張った
『えっと、その…私、』
「もう出るよー、電気消してもいい？」
言うと決めた途端、委員長に戸締りのために声をかけられてしまった
『あっ、はい！ごめんなさい、すぐ出ます！』
大夢くんは私が引き留めたばっかりにまだいてくれてる
私の顔を見て、どうしたの？と次の言葉を待ってくれてる
でも、今じゃない
またタイミングを改めて伝えればいい
『あ、私の話はまた日を改めてでも良いから、出よ？』
荷物を取ろうと机に手を伸ばしたら
私の手を優しく握って
大夢「ううん、今聞きたい」
続き、聞かせて？
椅子に座って私の手を握る大夢くん
『こ、この手は？！』
大夢「ん、なんとなく」
続きを待ってくれてる大夢くんに、こんなこと言うのは少し緊張するし気が引けるけど
『私、全然知らないことばっかりだし、大夢くんに会ったばっかりなんだけど』
大夢くんに次の恋、しないでほしいって思った
大夢「うん、」
『他の子と手繋がないでほしいって思った』
大夢「うん、」
『…私のこと見てほしいって思った』
大夢「うん、」
『大夢くん』
大夢「ん？」
“この気持ちは、恋？”
大夢くんに嫌われちゃうかもしれない
昨日は踏み込み過ぎたこと言って
次の日には好きだって告白して
たった2日で好きになるなんて思ってなかった
でも、嫌われたくない、そんな矛盾した気持ちから視界が滲み始める
『…っ、』
大夢「うん、そうだと思う」
気がつけば、大夢くんに手を引かれて
抱きしめられていた
大夢「ごめん、ほんとは最初から俺のこと好きになってくれないかなって思ってた」
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作者名：ゆあん | 作者ホームページ：
作成日時：2024年3月2日 3時
