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景瑚くんがあれに乗ろうと誘ってくれた。
『ありがとう、誘ってくれて』
「俺が乗りたかったからいーの、」
なんとなく、私が汐恩の方に気が向いてたのに気づいてくれたんじゃないかって思った。
だから、申し訳なくてありがとう、って言ったのに…
景瑚くんはこーゆーのが上手い。
めちゃくちゃ純粋に楽しめたと思う。
『ありがとう、久しぶりにこんな楽しめたかも笑笑』
「まじ？！やった〜、それ聞けて俺嬉しいわ笑」
2人でみんながいるところに戻る途中
急に景瑚くんがあそこのショップに寄ろうと言い出した。
急だなぁと思ったけど、私も欲しいものがあったし、寄ることにした。
ちょっと待っててと言ってお店の前で待たされる私。
あー、汐恩と出かけたときもこんなことあったなぁ……
靴擦れしたのがバレて手当てしてもらったんだっけ、と思い出してた時だった。
『ぇ………』
ちょうど視界の真ん中に見えたのは、汐恩と美鈴ちゃんだった。
抱き合ってた2人。
流石にひどいタイミングだと思う。
誰が悪いとかじゃない、自業自得だ。
景瑚くんと楽しんでた時に、勝手に汐恩と出かけたことを思い出して、1人で傷ついてた。
「、、、Aちゃん、どうした？」
景瑚くんが戻ってきてしまった。
『あっ、なんでもない……っ』
「なんでもなくないでしょ、……あ、ごめん、俺…」
なんで景瑚くんが謝ってるのかわからなかった。
「俺分かってたんだけどなぁ、お店の中にAちゃん連れてけばよかった、…馬鹿だな、俺…」
景瑚くんは気づいてたんだ、汐恩と美鈴ちゃんが近くにいたこと。
「タイミングすんごい悪いけど、、これ…Aちゃんに似合うと思って…」
と景瑚くんがショップで買ったものを渡してくれる。
『可愛い、……』
可愛らしいネックレスだった。
「良かったら、Aちゃん、それつけててよ、」
『え、でも……』
「汐恩のこと、好きなんでしょ？」
『なんで、』
「ん〜、見せつけちゃって？辛い思いばっかりするくらいなら、こっちだって、ね？」
そう言って、私に買ったネックレスをつけてくれた。
『…ありがとうっ……』
泣いていた私に、泣かないでよ〜と言って涙を拭ってくれた。
景瑚くんの優しさに助けられたな。
泣いて少し目が腫れていた私を気遣って、少し遠回りしてみんなのところに行こうと提案してくれた。
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作者名：ゆあん | 作成日時：2022年1月6日 9時
