ねぇ、【ジョジョ】 (ページ3)

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3：とある少年ページ3

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『ジェラートでも食べよっかなぁ♪』

「止めなさい、虫歯になるわ」

ルーナに車椅子を押されながら

Aは煙草を吹かす

金貨を手で弾ませ人通りの少ない坂を下る

すると前髪が独特な少年とすれ違った

「あの、｣『ん？』

その声にルーナが車椅子と足を止めて振り向く

少年はルーナを見てニコッと笑った

その動作にAもルーナも目を見開いた

「コレ落としました？」

少年の掌には自身の金貨が握られていて
Aは笑顔で少年の目を見た

『おっと、ありがとね』

爽やかな笑顔を見せ金貨を受け取り
少年の独特な前髪に目線を移した

Aが独特な前髪を見て少しクスッと笑うと
目の前の少年はムッとする

「何ですか」

『いやぁ、ごめん少し独特だったから』

だが、この時Aは確信した
この少年は"スタンド使い"であると

この少年はルーナを視認した
それは即ち、自身がスタンド使いであると証明するのと同じ事

一般人にはルーナが車椅子を押しているようには見えず
A自身が車椅子を動かしているように見えるのだ

『それで俺のお財布は返してくれるかい？』

「！？」

少年は目を見開いてAを凝視した後
直ぐさま走り出そうとする

『させないよ、丁度困ってたんだ』

Aは車椅子から身を乗り出し少年の腕を掴む

少年は精一杯抵抗し、何とかAの手から抜け出した

「チャオ」

丁寧に捨て台詞を吐いて少年はAに背を向けて走り出したが

少年の背中にはAの獲物を見定めるか如き冷たい眼差しがのしかかった

『《Queen・of・the・magic(クイーン・オブ・ザ・マジック)》

あの子を逃がすな』

Aがそう呟くと
少年の足元から植物が生えて少年の身体に絡まった

「なっ！」

刹那、Aは少年に向かって手を伸ばした
その手は少年の手首を掴み

『Obbediscimi (オッベディーシミ)──従え』

と少年の耳元で囁いた
すると少年の目の光は消え失せAに体を預けた

『Si、いい子だ』

少年の体を容易く抱き留め
穏やかな目で愛おしそうに頬を撫でた

『ルーナ、この子抱っこして』

「えぇ分かったわ」

ルーナに少年を預けてAは近くの路地裏へ車椅子を進ませた

『逃がさないよ、僕の可愛い可愛いcaro』

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イタリア語解説

Obbediscimi───《従え》

caro───《カワイ子ちゃん》