【ジョジョ】BLOOD and STAR【一部】 (ページ5)

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第４話ページ5

「父が倒れた――？」
　息を切らして駆け付けた執事の言葉から聞いたのはその言葉だ。フットボールの途中だったが、ボールを投げ出して急いで屋敷に向かった。……手遅れだった。父はもう冷たくなっていた。……それからだ。それからブラッド家はイギリスを追いやられた。レイが１５歳の頃だ。
「すまない、きてくれたのか」
　波止場で理由を説明する時もジョジョは真剣に聞いていた。
「本当に行くのかい？」
「ああ。インドにはぼくの家の資産が少しだけあるらしい。お前とこんな形で別れるのは忍びないんだが」
「ぼくの家にこないか？父さんに頼んでみるよ」
「だめだ。ぼくには家族がいる……素直にしたがうよ」
「……」
「そんな顔するな。ちゃんと手紙は送るさ」
「またいつか……インドに行って君に会いに行くよ」
　愛犬のダニーはいない。ジョジョの表情はいつもに増して暗かった。黒船の汽笛がなった。甲板の上からジョジョに向かって手を振る。姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
「……坊ちゃん」
　執事が船底から顔を出した。甲板に立っている少年は水平線の向こうの英国を見つめている。……振り向きもせずに執事の声に応答をする。
「旦那さまのことなのですが」
「父がどうかしたのか」
「……遺言状を承りまして、その……お渡しする機会がなかなかございませんで」
「多忙だったせいだ。……今見てもいいか？」
「はい」
　執事から渡されたのは紙片だ。万年筆で綴られていたのは父の字……だがいつものくっきりとした字ではなく死に際の、しかも弱々しい字だ。
「――なん……だと？」
　手紙の内容に驚愕を隠せなかった。思わず手紙が掌から滑り落ちる……潮風にのって飛んで行ってしまった。
「まさか、そんなはずは……」
「坊ちゃん？」
「なぁ……３日前、ぼくは午前中は屋敷にいなかったろ？」
「え？いや、坊ちゃん確かいたでしょう？あの時は別人のように書物を読みあさって……そう、旦那さまに薬を運ぶ、と言いだして」
「ぼくがか？」
「ええ……反抗期まっ盛りの坊ちゃんがそんなことを言いだしておどろきながらも喜んでいらして……」
「……そいつは金髪だったか？」
「ええ。顔はよく見えませんでしたが、坊ちゃんでしょう？」
「ちがう！ ……そいつは、……そいつは……！」

　『ディオ・ブランドー』という少年だ。

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To be continued
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