【ジョジョ】BLOOD and STAR【一部】 (ページ4)

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第３話ページ4

「大丈夫か？」
　泥だらけになった彼女の手を引く。彼女が静かに泣きながらレイの後ろをそっとついていく。レイは放っておけなかった。だがどう言葉をかければいいのか、紳士的な手段を知らなかった。
「……ディオなんだな？」
　彼女は何も言わない。見覚えのある木の幹。……さっき三人で彫ったちょっとした芸術品。……誰かが上から削った跡がある。ナイフで粗く切り目が入れてある。
「……」
　彼女が急に走り出した。後を追いかける事も出来ず、どうしようもなかった。去っていく彼女の背中をただ見つめる事しか出来ない。
　また明日、元気な姿を見れるさ。
　そんな子供地味た幻想が心にあった。また明日。きっと明日。いつかの明日、また彼女の笑顔が見れる。……そんな気がした。
「ほう？ガールフレンドとドロ遊びをしていたのか？」
　飄々とした声が耳に入った。土手から歩み寄ってきたのは――ディオ。ディオ・ブランドー。レイと同じぐらいか、やや色素が濃いぐらいかの金髪をしている。夕日に反射して煌めく髪が今は憎たらしかった。
「今日はめずらしく腰巾着たちはいないみたいだな」
「ぼくの友だちをバカにしないでくれないか。レイ」
　どうせ「友だち」とも思っていない存在に対しても「友だち」と呼べるとは滑稽な話だ。レイは鼻で笑っていた。
「ぼくがレイと呼ばせるのは友だちだけだ。家族にも呼ばせない。……この意味がわかるか？」
「ひどいことを言っていじめないでくれよ、ぼくにはなんのことだかわからないな」
　ディオの鋭い目が憫笑するように言った。
「それにしてもめずらしい名前だ。レギオンって名前じゃあない。ブラッド、っていう姓のことだ。血をあらわす苗字なんか聞いたことがないぞ。きっときみのご先祖は何か呪われるようなことでもしたんじゃあないか？」
「ぼくの先祖がなにをしようが関係ないだろう」
「あるさ。血族っていうのは大事だ」
「きみがジョースターを名乗らないのは、ブランドー家を大事に思っているからか？」
「…………ああ。ぼくが１０年以上受けついだ名字だからね」
「本当か？貧民層での記憶なんか普通はわすれたがるものだと思うが」
「言ったろう。ぼくをあまり困らせないでくれ」
　ディオはそこで会話を閉ざした。

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To be continued
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