第41夜 お手並み拝見 ページ41
少し身体が浮くような不思議な感じ、それもほんの数秒で、足が地に着く感触でAは眼を開けた。
「う、わ……………！！」
今までいた館も相当立派な場所だったけれど、それを超えるような広さで、煌びやかな装飾の溢れたホールが眼に入る。
たくさんのスーツやドレスの人たちが自由にダンスを踊ったり、立食スタイルの食事を楽しんでいた。
「ここにいる人、全員吸血鬼？」
「うん。A以外はそういうこと」
こそっと小声で翔也に聞けば、翔也も同じようにそっと教えてくれた。
「せっかくのパーティだ。さぁ姫、お手をどうぞ」
あっるるたん抜けがけ！なんて声が聞こえた気もするが、瑠姫さんは気にもせず私の手を引いた。
「蓮と練習したんだって？」
「あ、そうなんです。結構頑張ったんですよ」
スパルタだもんな〜、と瑠姫が笑う。そんな話をしているうちにダンスの会場へ近付く。
「それじゃ、お手並み拝見といこうかな」
「もうですか！？」
瑠姫は王子のようなフォルムでお辞儀をするとふわっと優しくAを引き寄せ、3拍子のリズムに乗っていく。
Aも瑠姫の足を踏むまいと、気を付けながら音楽に合わせて身体を揺らす。
「おーさすが、数日前の仕込みとは思えない上手さだね」
「もう、笑わないでくださいよ！一昨日の感覚を取り戻そうと必死なんですからっ」
「あぁ蓮と練習したやつね…」
瑠姫はAに聞こえるか聞こえないかくらいの低い声でボソッと呟く。
そして踊りながらホールドしている力をわざと少し強め、Aとの距離を一気に詰める。
「でも今踊ってるの俺なんだけど。俺を見て？」
瑠姫の言葉にハッとしてAが顔を上げると、目の前に瑠姫の顔があった。
その端正な顔立ちの瞳に捉えられると目が離せなくなる、気がする。
「俺だけを見て、俺だけ感じて」
踊りながら、ホールドを組んでいる2人だけしか聞こえないように瑠姫が言う。
その言葉の意味を考えれば考えるほど顔は熱くなり、赤くなってるであろう顔を隠したくても踊ってる最中は手を離せない。
そんな悶える私を見て、瑠姫さんは満足そうにしていた。
結局、次に瑠姫さんが私の耳元でA、と囁いた時点で私の恥ずかしさが限界突破し、ステップを踏み間違え瑠姫さんの足を踏んだのだった。
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咲夜(プロフ) - 週7寿司さん» こちらこそいつもキュンキュンするお話を書いてくれてありがとうございます！(*^▽^*) (2021年1月12日 5時) (
レス) id: 6a5774188a (このIDを非表示/違反報告)
週7寿司(プロフ) - 咲夜さん» 私もキュンキュンしながら打ってます！笑更新頑張ります、いつもありがとうございます〜！ (2021年1月11日 23時) (レス) id: 8486858bad (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 第22夜の最後辺りの翔也くんの台詞にキュンｯときた(///∇///)（キュン死するかと思った） (2021年1月11日 6時) (レス) id: 6a5774188a (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 週7寿司さん» 確かに豆ちゃん食べにきそう…更新頑張って下さい(p｀･ω･´q)ﾌｧｲﾄ〜！！ (2021年1月11日 6時) (レス) id: 6a5774188a (このIDを非表示/違反報告)
週7寿司(プロフ) - 咲夜さん» 純喜は吸血鬼になってもカルボナーラ作ると思います！笑そして豆とか食べに来てると思います笑更新頑張ります！ありがとうございます！ (2021年1月10日 22時) (レス) id: 8486858bad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴日 | 作成日時：2020年12月21日 0時
