第34夜 心配性な彼ら ページ34
「おーい、A手紙来てるぞ」
「え？私に？」
玄関を掃いていた私に、汐恩が一通の封筒を渡す。
「ほらA様へって書いてあるわ」
「本当だ、よくここ届いたなぁ。どれどれ…」
封筒を開け手紙を出すと、汐恩も興味があるのか手紙を覗き込む。
「同窓会？」
私と汐恩のハモった声が静かな玄関に広がると、お互いに顔を見合わせた。
＊
なぜこんな大ごとになったのか分からないが、11人の主は談話室に集合し真剣な顔で封筒を見つめていた。
「あの、これただの高校の同窓会の案内ですけど…」
Aが沈黙に耐えられず口を開くと、ガタンと翔也、景瑚、拓実、純喜が立ち上がる。
「同窓会って！初恋の人と再会して、やっぱり彼かっこいいな〜って考えてると何故か隣の席になっていい感じになっちゃうあの同窓会！？」
「お酒の雰囲気に飲まれていつもふざけてたあいつが急にかっこよく見えてみんなに内緒で2人で抜けちゃう、あの同窓会！？」
「いややーー！不純やAーー！！」
「そんな子に育てた覚えはないてぇぇぇ！！」
「いや、皆さんのそのイメージなんですか！」
わああ！と喚きダンダンと机を叩く4人を尻目に、何やらコソコソと話しているのは奨さんと蓮さんと碧海。
「ここに高校の名前は載ってるし、当時の生徒の名前はすぐに調べられるな」
「会場の居酒屋のキャパ、会社名、メニューは押さえたけん……ちょっとアルコール類が多いかなぁ」
「てかAに有害そうな人は先に絞めといていいすか？」
「あの！ちょっと会話が物騒なんですけど…！？」
ああ、気にしないで〜と笑顔で3人は手を振るが、目が笑ってない。
すると瑠姫、祥生、まめちゃんが服やらアクセやらを持って寄ってきた。
「はい、じゃあ当日は寒いかもだしこの俺の男物のコート着て行ってね」
「ミニスカは冷えるし厳禁やで。うん、やっぱジーンズが似合うわ〜」
「同窓会ですし、イメチェン必要っすよね。俺のチェーンのネックレス貸すんで絶対つけてくださいね」
「ちょ、圧が！圧がすごいです！」
ぎゅうぎゅうと押し付けてくる3人をかわすと、目の前に汐恩がいた。
「も、もう！なんかみんなおかしいよ、汐恩なんとかしてよ」
「そりゃ俺には無理な問題やな」
おどけた顔をすると汐恩は肩をすくめた。
「Aはあれ、行きたいんやろ？」
「まぁ……行きたい、かな…」
「じゃあ余計なこと考えんで行ってきたらええやん」
私がつい本音をこぼすと、汐恩はそう言って私の頭を撫でた。
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咲夜(プロフ) - 週7寿司さん» こちらこそいつもキュンキュンするお話を書いてくれてありがとうございます！(*^▽^*) (2021年1月12日 5時) (
レス) id: 6a5774188a (このIDを非表示/違反報告)
週7寿司(プロフ) - 咲夜さん» 私もキュンキュンしながら打ってます！笑更新頑張ります、いつもありがとうございます〜！ (2021年1月11日 23時) (レス) id: 8486858bad (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 第22夜の最後辺りの翔也くんの台詞にキュンｯときた(///∇///)（キュン死するかと思った） (2021年1月11日 6時) (レス) id: 6a5774188a (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 週7寿司さん» 確かに豆ちゃん食べにきそう…更新頑張って下さい(p｀･ω･´q)ﾌｧｲﾄ〜！！ (2021年1月11日 6時) (レス) id: 6a5774188a (このIDを非表示/違反報告)
週7寿司(プロフ) - 咲夜さん» 純喜は吸血鬼になってもカルボナーラ作ると思います！笑そして豆とか食べに来てると思います笑更新頑張ります！ありがとうございます！ (2021年1月10日 22時) (レス) id: 8486858bad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴日 | 作成日時：2020年12月21日 0時
