039【JK】 ページ39
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SN「酔った男達が、ヌナに手出してたから俺が助けただけですけど。」
そう言ったアイツに、今度は自分自身にイライラしてくる。彼女が別の男に守られてるなんて、彼氏としてもってのほかだ。
JK「へえ、それはどうも。」
「…わっ、！」
でも、もうその役目はお前がやらなくていいよ。
Aは俺の彼女だから。そんな気持ちでいっぱいで、目の前にいた彼女の腕を掴んで自分の方に引く。
そしたらアイツが、さっきよりも冷めた目で俺のことを見つめてくる。
SN「彼女、震えてんのわかんないんすか？」
は？
その言葉にAの腕を掴んでいる手に意識を持っていくと、確かにかすかに彼女の体は震えていて。
「っ、ソヌくん、私は大丈夫だからっ…」
アイツにそうやって言うAが今、何を考えているのかも分かんねえし、彼女が体を震わせている理由も分からない。
俺がこうしていろんな考えを頭の中で巡らせている間も、アイツはすべて見透かしたような目で俺を見てくる。
JK「…お前、俺に何が言いてえの？」
SN「彼氏なら、ちゃんと彼女のこと見てやれって言いたいですね。」
限界だった。
アイツの方が、Aのことを分かっているような態度を見せられるのが、もう無理だった。
JK「は？お前、どの立場から言ってんだよ…！」
「っ、やめて…！」
あっという間に俺の怒りのメーターは限界を超えていて、咄嗟にアイツに向かって振り上げてしまった拳。
そしたら、Aが俺の正面に立った。
…アイツを庇うようにして。
JK「……は？」
「っ、オッパ…」
なんかもう意味が分からなかった。
今にも泣きそうな顔で俺の名前を呼ぶ彼女。振り上げていた拳も、力が抜けた。
JK「…Aが庇うのは、ソイツなんだな。」
「！グクオッパっ…！」
もう俺の入るところなんて、どこにもないような気がして。
俺ってAの彼氏なはずなのに、何倍もアイツの方がAの彼氏に見えて。
JK「…もういいわ。」
全然良くないくせに、この場にいることがもう耐えられなかった。
バイトをやめたくない理由も、コイツがいるからなのかなって。
そう考えると、呆れた笑いが溢れた。
俺はどうすることも出来なくて、そのまま個室に入ってAから逃げてしまった。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年6月3日 2時
