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JK「俺と会ってない間に、風邪引いたの?」
横になっている私の手を握るグクオッパが、私に問いかける。
すぐ頭に浮かんだ、あの日。
グクオッパに謝ろうとしに、大学に行った日を思い出したけど、それを口にする勇気はなかった。
「…うん、夏風邪だと思う。」
JK「そっか、無理するなよ。」
「ふふ、ありがとう。」
グクオッパが私の手をにぎにぎと、弱い力で握ったりはたまた強い力で握ったりするから、面白くて笑いが溢れた。
JK「ご飯食べた?」
「ううん、お腹空いてなくて…」
JK「だめじゃん、ご飯はちゃんと食わないと。」
そう言ったグクオッパは私の手を解放すると、そのままそばにあったテーブルに手をついて立ち上がろうとした。
でも、なぜかオッパはそこで固まっている。
「グクオッパ…?」
JK「…誰か来たの?」
「え…?」
グクオッパは、テーブルに置いてあったコンビニの袋を掴んで、そう口にした。
ソヌくんが持ってきてくれたもの、そのままにしちゃってたんだ。
「あ、あの…ユナ、ユナが来てくれて。」
JK「ああ、Aがいつも一緒にいる子ね。」
「…うん、そう、そうなの。」
咄嗟についてしまった、嘘。
せっかく今さっき仲直りしたのに、ここにバイト先の人がお見舞いに来てくれたなんて、さすがに言えなかった。
グクオッパは特に気にする様子もなく、そのコンビニの袋からゼリーを取り出した。
JK「これなら食える?」
「あ…うん、食べようかな。」
スプーンを取り出して、ペリッとゼリーの蓋を開けたグクオッパは、そのまま一口掬うと私に差し出してきた。
「オッパ、食べれるよ…熱もないし。」
JK「いいから、病人は大人しくして?」
そう言って微笑むグクオッパは、間違いなく私を揶揄って楽しんでる最中だ。
大人しく口を少し開けば、まだ少しだけ冷たさが残っていたゼリーが口に入った。
JK「美味しい?」
「うん、美味しいよ。」
私がそう答えると、グクオッパも私が口にした同じスプーンでゼリーを掬うと、そのまま自分の口に入れた。
「オッパ、移っちゃうよ…!」
JK「あ、なんも気にしてなかったわ。」
「…もう。」
JK「もうゼリーも食べて手遅れだから、キスしてもいいよね?」
「え?ちょ…んっ、」
急にグクオッパの顔がドアップになって、私の唇に柔らかい感触が伝わった。
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2020年6月3日 2時