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「…ねえ、ソヌくん。」
SN「…なに?」
「ちょっと、ふわふわするかも。」
SN「は?」
なんか頭がボーッとするし、体がふわふわする。
SN「は?お前、顔真っ赤じゃん…!」
「あー…やっぱり、そんな気がした。」
SN「ほんっとに、バカだな。」
「わっ…!」
唐突にソヌくんに掴まれた腕。
ソヌくんは腕を掴んだまま、私の目の前にしゃがむとそのまま私の手を自分の肩に乗せた。
SN「熱あんだろ、乗れ。」
「え…いや、さすがにそれは…!」
SN「いいから、このままここにいても悪化するだけだろ。」
「それは、そうだけど…」
SN「早くしろ。」
ソヌくんに急かされた私は、ゆっくりと椅子から離れてソヌくんの背中に体重をかけた。
「…重いよね、ごめん。」
SN「ああ、クソ重いから早く帰る。」
「え、そんな太ったのかな…」
SN「ふっ、お前なんでも真に受けすぎだろ。」
ケラケラと笑うソヌくんは、テーブルに置いていた私とソヌくんの荷物を私の手に預けた。
もし落としたら弁償な。なんて怖い言葉付きで。
「…ご、ごめんね。すごく見られてる、」
SN「いいから喋んな。」
「ごめん、うるさかったね…」
SN「はあ…そうじゃなくて。喋ってたら余計しんどいだろ、バカか。」
「ああ、そっか…ありがとう。」
バイト先を出ると、そのままスタスタと歩いて行くソヌくん。
私を家まで送ってくれるらしく、道案内をしたあとは言われた通りおとなしく口を閉じた。
いつの間にか雨は止んでいて、沈む夕日の中に虹を見つけた。
虹を見たからって、いいことなんて何もないよ。
目を閉じると、さっきみた光景を思い出す。
「…グクオッパ。」
早く仲直りしたいって、早く会いたいって思ってるのは、私だけじゃないよね…?
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MM「あ、目覚めた?」
「…ママ、」
MM「まだ熱下がってないみたいだから、薬飲んで大人しくしてなさいよ。」
目を覚ますと見慣れた自分の部屋にいて、ママは私に薬を渡すとそのまま部屋を出て行った。
いつの間に、お家に帰ってきてたんだ。
「…お礼しないと。」
ソヌくんにお礼の連絡をするためにスマホを手にすると、画面に表示されたたくさんの通知。
グクオッパからたくさん連絡が来ていたけど、やっぱりどうしても返す気になれなかった。
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2020年6月3日 2時