018 ページ18
.
「ソヌくん、ありがとう…」
SN「お前、ほんとにバカなの？」
ソヌくんから借りたTシャツに着替えて、下は濡れてるけど替えがないからこのまま。
SN「お前、俺がたまたま見かけたから良かったけど、あのまま歩いてたら不審者だぞ。」
「不審者って…」
SN「傘もささずに泣きながら歩いてたら、誰もが不審に思うだろ。」
休憩室に並べられた椅子に座っている、私とソヌくん。
ソヌくんよりも私のほうが年上なのに、容赦なく私に説教をする。その通りすぎて、何も言い返せなかった。
正確に言えば、言い返す気力もなかった。
SN「…お前、スマホ鳴ってるけど。」
「ああ、うん…」
さっきから私のカバンに入れていたスマホが、ﾌﾞｰｯﾌﾞｰｯと音を立てている。
きっとグクオッパからだと思うから、出る気にはなれなかった。
SN「出なくていいわけ？」
「…うん、いいの。」
SN「彼氏じゃねーの？」
「え？なんで彼氏いること…」
SN「…テヒョニヒョンが言ってた。」
ポリポリと頭を掻きながらそう口にするソヌくん。
どうやらテヒョンくんは、グクオッパと同じ大学に通っているらしく、グクオッパと仲が良いらしい。
だから喧嘩したあの日、グクオッパの口からテヒョンくんの名前が出てきたんだ。納得した。
SN「お前が泣いてる原因は彼氏か。」
「…っ、」
SN「ほんとお前、分かりやすいよな。」
私を馬鹿にしたように笑うソヌくん。もういくらでも、こんな私を笑ってほしいくらいだ。
喧嘩して、彼氏に嫌われて、自分でもこんな自分が情けなくて笑えてくる。
「ここでバイトするのやめろって…」
SN「それで喧嘩？」
「うん、でも今日オッパに謝りに行こうとして…」
SN「は？なら早く電話出てやれよ。」
ソヌくんのその言葉に、私は首を横に振る。
「…オッパ、女の人と楽しそうだった。」
SN「なんだそれ、彼氏にも女友達のひとりやふたりくらい、いるだろ。」
「ううん、オッパは女の人が苦手だから…」
SN「ふーん、まあ俺にはどうでもいいけど。」
ソヌくんは心底興味なさそうに、そう呟いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年6月3日 2時
