037【JK】 ページ37
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HR「…グガ、吐く、助けて。」
JK「はあ…なんで俺が。」
ふらふらなヌナの腕を自分の肩にまわして、個室を出る。
酒を一気したヌナは、今にも吐くなんて口にするからトイレに行けと言ったけど、あまりにも酔いすぎて自力で行けそうにはなかった。
だからって、なんで俺がこんなこと…
まあ、俺の隣で吐かれるのも困るんだけどさ。
JK「…ちょ、ヌナ。」
HR「んー…なによ。」
ほぼ俺の力で引きずられているヌナは、自力で歩こうともしていない。
JK「ったく、ちゃんと歩いてくださいよ。」
HR「…むり、ジョングガ助けて。」
助けてって、この時点でかなり助けてると思うんだけど。
JK「…はあ、もうハルヌナ。」
HR「お？ジョングガ、怒ったの？」
そう言ったヌナは酔っぱらいのだるいテンションで、俺の頬を片手で掴んだ。
JK「ちょ、やめてください。」
俺がそう言えば、ムスッとした顔をしてまた口を開くハルヌナ。
HR「もー！二人なんだから、タメ口にしてよ！」
その言葉にはあ、とため息をつく。大学内じゃタメ口使うなって言ったのは、ヌナなのにな。
『……おい。』
ヌナの言葉を無視してまた歩こうとしたその時、唐突に聞こえてきた声。
ガヤガヤとうるさいこの店内でこんなにも通る声をしているから、きっと店員だろう。
特に気にもせず一歩を踏み出した時。
「っ、ソヌ…くん…」
新たに聞こえてきた声と、その人が口にした名前に俺は足を止めた。
そのまま声のする方に、ゆっくりと視線を向ける俺。視線の先には、俺の想像していた人と男の店員が立っていた。
JK「…A、」
「っ、」
無意識のうちに呼んでいた彼女の名前。重なった視線は、すぐにAが逸してしまった。
まるで、俺と視線が重なったのが嫌かのように。
SN「…ったく。」
「っ…」
SN「片付けやるぞ。」
「！ソヌくん…！？」
どこか暗い顔をしたAの腕を引く隣のアイツに、たまらなくイライラしてくる。
なに？アイツといるところ、俺に見られたのがまずかった？
HR「…ジョングガー、早く…もうやばい。」
JK「あ、ああ…」
ヌナの声になんとか平常心を保ちながら、トイレに向かって歩く。
いや、やっぱ無理だ。今、平常心なんかでいられねえよ。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年6月3日 2時
