【暗殺教室】俺？失敗作の出来損ないだ。【磯貝悠馬】 (ページ33)

今日:5 hit、昨日:21 hit、合計:42,578 hit

失敗作さんじゅうページ33

漣目線

ふっと、目が覚めて、ああ寝すぎたな、と後悔する。いっつもここにいると寝過ぎて、よく、殺せんせーに起こされる。また迷惑をかけてしまった、といつも申し訳ない気分になるから、自分で起きれたのをよしとしよう。
空を見ればまだ明るい。まだ5時頃かな、と予測をつけて伸びをして立ち上がる。そうすれば、もういつもの僕でさっきまであれほど悩んでいたとは思えない。と、思いたい。多分ここから帰るのに殺せんせーに絶対会うし、そもそも保健室にいる、と伝えたのにここにいるなら多分探している。気がする。心配はかけたくない。迷惑はかけたくない。頭のなかで流れる生きてるだけで邪魔という言葉を聞き流して、少し歩き始めようとした。その瞬間、黄色いものが目の前に見える。

「殺せんせー？どうしました？」

「にゅや！？あなた今、おもいっきり転びませんでした！？」

え、と足元を見る。そうしたら足元に石があって、よく考えたらこの姿勢は前傾姿勢で、っまり転んだ、ということなのだろう。ああ、やっちゃったな、と思った。迷惑はかけたくないのに。また、また迷惑をかけてしまった。ほんとに今なら死ねる。早く死にたい、殺して、僕のこと殺して、死ぬしかないもう僕。

「すみません、もう大丈夫です。」

ゆっくりと立ち上がった。生徒は先生に迷惑をかけて育つんですよ、と的確に心を読んだ台詞をかけられながら足元を見てあるきだす。すみません、と謝っていると、殺せんせーからもういいですから、と声をかけられて、質問された。

「何故、漣くんは暗殺を仕掛けないのですか？」

他の人は、と先生が続けようとしたのはわかっていた。わかってはいて、それを聞いて、僕も暗殺に取りかかりはしなくていいかもしれないけど、サポートぐらいはしなければいけないのもわかっていた。頭では、理解は出来ていた、はずなのだ。それでも、目の前が真っ暗になって、何故か手が震えだす。ぎゅっと、拳を握って、足を止めた僕になにかを悟ったのか何も言わなかった。

「すみません、帰ります。」

迷惑なのはわかっていたけど、この空気で何も言えず、返事を待たずにそそくさと帰った。