【暗殺教室】俺？失敗作の出来損ないだ。【磯貝悠馬】 (ページ32)

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失敗作にじゅうきゅうページ32

漣目線

「はい。私の意思で産みの親(マスター)に逆らいました。」

笑顔でそんなことをいってのける砲台、じゃなくて律。意味がわからない。そもそも砲台が逆らうってなに...とか考えていると、にこにこと嬉しそうな顔をした殺せんせーがいたから。まあ、いいか、と軽率に考える。

親に逆らえるのは羨ましい。そもそも親という存在を意識したことのない俺にとって、親がいる、その事実すら少し、羨ましく感じる。親代わりなんてものは俺にはないから。
そうやって自分にとって嫌なことを思い出したので忘れるように小さく首を振る。しらない、しらない、そんなの、しらない。少し呼吸が荒くなったように感じて少し深呼吸。落ち着けるかといったら無理な話だが、少し落ち着こうと試みる。机につっつぷして眠るように忘れるようにする。逃げるのかよ、だからお前はどうしようもない屑のまんまなんだよ、と頭のどこかでなにかがわめいていたような気がした。

でも、そんなふうに頭が考え事している間には眠ることなんて不可能で。頭のなか真っ白にして、考えないようにしても勝手になにかがわめき散らす。お前なんて要らないやつだって、死ぬことでしか価値はないんだって、生きてることがもう罪で、お前は死ぬしかないんだって。
そうやって自分を否定して、そんなんだからお前に生きてる意味なんてないんだって。
そうやって、自分を非難するこえを聞きながら、さっきのことを忘れようとする。そうやってつっつぷしていたら、いつしか一限が終わっていた。

終わって少ししたあと、せんせーに断りをいれて保健室へ足を進める。歩いている感覚なんてとっくになかった。保健室と逆方向に向かって歩いて、裏山に入る。梅雨の時期が近くて、少し重い空気を全身に受けながら、木の根もとで眠りについた。座って眠るのは、やっぱりすごく落ち着く。