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… ページ48
その日
俺は残業で会社を出たのは
日付が変わってからだった。
会社から少し歩いた所にある
ガードレール。
そこにしゃがみ込んでいたのは
蓮のお店で見かける彼女だった。
手には花束と小さなぬいぐるみ…
そのお花とぬいぐるみを
そっと置くと
目を閉じて手を合わせる。
その時間は短くなかった。
立ち上がった彼女が
フラついて
道端に座り込んだ。
俺は慌てて彼女のそばに行った。
JJ『大丈夫ですか？！』
『……大丈夫です…すみません…』
そう言った彼女は
差し出した俺の手を握ることなく
立ち上がると
『ありがとう…ございました…』
深く頭を下げて
俺から遠ざかって行く。
その顔は
涙で濡れていた。
彼女だったんだ…
半年くらい前から
毎月 あのガードレールの所に
花が供えられていた。
誰かわからないけど
彼女の大切な人だったんだろう。
俺も目を閉じて
祈らせてもらった…
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作者名：ななこ
| 作成日時：2017年12月3日 8時
