伝えたい言葉９～Jaejoong～ (ページ9)

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少しすると
さっきの男の子が母親らしき人を
連れて戻ってきた。

するとその母親は
彼女が抱っこしていた子供を
奪うように取り上げた。

そして聞こえてきた怒鳴り声。

『あんたが転ばせたんだろ？』

『え？』

周りにいる他の母親たちも
あまりの剣幕に驚いて
何も言えないでいた。

『あんたの足が邪魔で転んだんだろ？
どうしてくれるんだよ！
この服、高いんだよ！！』

助けなきゃ…

でも俺が出て行ったら
騒ぎになってしまう…

するとそこにいた母親が

『あの…』

『なんだよ！』

『その人は』

でも彼女はその言葉を遮って

『すみませんでした。』
そう言って深々と頭を下げた。

『待って！あなた何も』

もう一度助けようとしてくれた人を
彼女は首を横に振って止めた。

『………』

『本当に…申し訳ありませんでした。』

『謝るだけかよ！』

『あ……どうすれば……』

『クリーニング代くらいよこせよ！！』

『はい……』

彼女が持っていたバックから
財布を出すと
奪うようにしてお金を取った。

そしてすぐに子供を連れて
公園を出て行った。

助けようとした母親が
彼女に声を掛けていた。

『大丈夫？』

『はい……すみませんでした…
助けていただいたのに…』

『どうして本当のこと言わなかったの？』

『あの子が』

『え？』

『お兄ちゃんが弟を守るために
言ったと思ったから…』

『………』

『きっと…転んで洋服を汚してしまった弟が
ママに怒られないように言ったんだと
思ったから…』

『あなたいい人すぎるわ。』

『そんなこと…』

『心配になっちゃう。』

『え？』

『自分のことも…大切にしなきゃ。』

『………』

『あなたは何も悪くないのに…』

『ありがとうございます…
でもあのくらい大丈夫です。』