気づかないふりをする２ (ページ10)

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マネ『……こんばんは…』

声をかけると
傘をさしていない俺を
あわてて傘の中に入れてくれた。

『良かった……』

マネ『え？』

『今日は帰って来ないのかと思ってたから…』

マネ『……こんな雨の中、何してるんです？』

少しだけ口調が
キツくなってしまった俺の顔を見て

『すみません…
ジェジュンさんにどうしても返さなきゃ
いけないものがあって…』

マネ『なんですか？』

そう言うと
持っていたバックの中から
封筒を取り出して
俺に渡してきた。

『昨日……お借りして…
どうしても今日、お返ししなきゃって…
すみませんが、渡していただけますか？』

マネ『………』

何も言わない俺に

『お願いします。』
そう言うと、
さしていた傘を俺に握らせて
土砂降りの雨の中
走って行った彼女。

マネ『待って！傘…』

俺の声が聞こえたのか
振り返って深く頭を下げる彼女。

そのまま行ってしまった。

急いで駐車場に戻ると

JJ『……その傘…』

マネ『……彼女が俺に渡してきた。』

JJ『………こんな雨の中…帰したの？』

マネ『お前にこれ返さなきゃって…』

マネが封筒を俺に握らせた。

JJ『………』

マネ『そしたらすぐに傘俺に渡して
走って行ったんだよ。』

JJ『なんで……』

マネ『彼女ホントに』

JJ『ホントに！
ホントに、そんな子じゃないから…
心配することなんて、何もない。
ただ、』

マネ『ただ…？』

JJ『いや、なんでもない……
お疲れ様…』

俺はなんだかマネの顔を見たくなくて
部屋に急いだ。