気づかないふりをする２ (ページ38)

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約束したホテルの部屋の前。

心を決めた俺は
自分でもびっくりするほど
落ち着いていた。

チャイムを鳴らす。

すぐに開いたドアの前にいたのは
あのお店のママだった。

ママ『入って下さい…』

俺たちの目の前に座っているママは
お店で見たママとは
まるで別人のようだった。

JJ『社長に会いに来たのに
どうしてあなたがいるんですか？』

ママ『あの人には会わせません。
お話はわたしが伺います。』

マネ『どうしてあなたが？
社長と直接会って話がしたいのですが…』

ママ『何度も言いますが
あの人には会わせません。』

JJ『会わなきゃ話にならない。』

ママ『だからわたしがお話を』

JJ『あなたに話しても
なんの解決にもならない！！』

ママ『あの人はわたしの夫です。』

JJ・マネ『！！！』

ママ『夫がしたことの後始末は
わたしがします。』

JJ『……あの社長がしてること
全部知ってて…
なぜ止めないんですか！！！』

ママ『あの人は小さな子供です。
いいえ、子供じゃないわね…赤ちゃん…
何を言ってもわからない赤ちゃんなんです。』

JJ『………』

ママ『欲しいおもちゃは
どんなことをしても手に入れて
飽きたらすぐに捨ててしまう…
今回のおもちゃは幸いなことに
向こうから差し出してくれて…』

JJ『おもちゃって……
彼女はモノじゃない！！』

ママ『あの人にとっては
ただのモノよ…』

マネ『どうしてそんなこと……
やめさせたらいいじゃないですか！』

ママ『やめさせる？
そんなことできないわ…
そんなことしたら
わたし…あの人のそばに
いられなくなるじゃない…』