梵天の天使は私の全て

５話 ページ6

三途「……オイ、大丈夫か」


後ろの席に倒れ込むように乗り込むと三途から声を掛けられる。珍しく声が小さい。


『姫が心配』


三途「美羽はお前が思ってるより強くて賢いぞ。血を見せたくないってだけで殺しもせず、ましてやお前が死にかけるなんてばっかじゃねぇの？」


『分かってるよ……でも姫はまだ子供なんだ。私は姫の為に死ねるなら本望だよ。これで処罰されても別に苦痛じゃない』


そう言うと急にブレーキを踏まれる。おかげで体が前に傾いて血が垂れる。クッソ、やっぱり姫は蘭に任せて良かったな。こんな運転の車に乗せるわけにはいかないからな。


三途「処罰、なんの事だ？今回は九井の野郎がお前の殺さなかったゴミどもを有効活用するからお咎めはなしだとよ。マイキーに感謝しろよ……ってお前！！なんだその血！！！」


『三発喰らった、車は弁償しねぇからな』


三途「処罰はねぇんだぞ！！くたばったら殺すからな！！！マイキーと美羽に迷惑掛けんなよ！！」


今度は急なアクセルだ。アドレナリンが切れてきたのか、血を流し過ぎたのか頭がふわふわする。指先が震える。五月蝿すぎる声が傷口に響いてドクドク言ってる。


『やべぇ、ちょっと寝る』


三途「オイ！オイ！！！目ぇ開けろ！クソッ」

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