よくわからない ページ4
『てんちょー！いまやってる？』
ドアを開けても人っこ1人いない
ましてや電気もついておらず、店内は真っ暗
自分の発した声が闇の中に吸い込まれていって。
『ま、いっか。
テキトーに酒とって後で金払えば』
今日は啤酒でも呑もう
やっぱ啤酒は青島がいいかな
入り口付近のスイッチを押すと店内が明るくなる
こんなところに置いて大丈夫なのか
しばらく呑んでいると机の上は空き瓶で埋まっていった
睡魔も、いっしょ に おそて き た…
次に目を覚ますころにはマスターも、私の隣に人もいた
「〜〜〜！」
「〜〜〜〜〜〜〜、」
なんか話してるけど何言ってるかわかんない
頭もよく働かないし、しばらくは体を起こしたくない
行儀悪いけど盗み聞きになっちゃうかなぁ
「おれ、好きな人がいるんすよ」
そんな時、気になる話題が耳に入る
なんだろう。なんか嫌な気分
彼はなんでもないただの友人なのに…？
「元気いっぱいでな、思い切りがあって、
見てて飽きないんよ」
言わないで。
耳を塞ぎたいけど気になる
何より盗み聞きしてることがバレそうで、
「好きなんやで？お前のこと」
そう言って私の頭をぽんぽん、と優しく叩く
？？？？？
どういうこと？
いやいやいや。ないない
きっとロボロも酔って、誰か違う人に言ってるんだ
きっと、きっと…
私の胸が嫌になる程うるさいのは、あなたのせいですか。
続く
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作者名：世阿弥 | 作成日時：2024年3月29日 2時
